2024.10.07
タワーマンションリノベーションの費用や注意点を解説——事例もご紹介

タワーマンションのリノベーションをする際の費用やメリットを解説します。また、タワーマンションのリノベーションの注意点や流れ、事例もご紹介します。タワーマンションのリノベーションを検討中の方は、これらの情報を参考に、理想の住まいの実現に役立ててください。
タワーマンションはリノベーションできる?

タワーマンション(タワマン)の居室内である専有部分はリノベーションができます。高層階でもリノベーションを施し、より暮らしやすい空間にしたり、眺望の良さを活かした間取りに変えたりすることができます。
ただし、梁や柱など構造上の理由や管理組合の規約などで、リノベーションができる範囲に制約を受けることがあります。タワーマンションをリノベーションする際の注意点について、事前に知っておきましょう。
タワーマンションのリノベーションの費用相場は?

タワーマンションをはじめとするマンションのリノベーションは大規模な工事となるため、費用が高額になりがちです。
マンションをスケルトンリノベーションやフルリノベーションする際に参考となる平米(㎡)あたりの費用相場は以下の通りです。
- 一般的なマンションの場合:25万円〜
- ハイグレードマンションの場合:30万円〜
ただし、以下のような要因によって、費用は大きく変わることがあります。
- 水回りを移動させるなどの配管工事が必要な場合
- 高級な床材や壁材、クロス素材などの内装材を選んだ場合
- 間取りを大きく変更するなどで、工事期間が長期にわたる場合
これらの要素によって、リノベーションの費用は大きく変動する可能性があることを念頭に置いておきたいところです。
以下の表は、上記の費用相場で試算した、広さ(専有面積)ごとのスケルトンリノベーションの費用相場です。
※専有面積の数字をクリックするとそれぞれの詳細解説や事例ページにリンクします。
専有面積(㎡) | リノベーション後の想定間取り | 費用相場 |
---|---|---|
50 | 1LDK〜2LDK | 1,250万~1,500万 |
60 | 1LDK〜2LDK | 1,500万~1,800万 |
70 | 1LDK〜3LDK | 1,750万~2,100万 |
80 | 1LDK~3LDK | 2,000万~2,400万 |
90 | 1LDK〜3LDK | 2,250万~2,700万 |
100 | 1LDK〜4LDK | 2,500万~3,000万 |
フルリノベーションの費用目安は約25万円/㎡を想定し、上限はグレードの高い設備などを設置する場合を想定し約30万円/㎡としています。 利用する素材・部材・設備機器などにより価格は変動します。
新築マンションの購入と比べると、コストは抑えられますが、リノベーションも内容によっては高額な費用がかかる点に注意が必要です。
タワーマンションの新築とリノベーション、費用の違いは?
マンションを購入する際に、新築マンションを購入するか中古マンションを購入してマンションリノベーションするか悩まれる方も多いようです。そこで、「新築マンション購入」と、「中古マンション購入+リノベーション」の費用を比較しました。
首都圏の中古マンションと新築マンションの購入・リノベーション価格比較
中古マンション(※1) | 新築マンション(※2) | |
---|---|---|
平均価格(万円) | 3,869 | 6,260 |
1平米単価(万円/㎡) | 59.81 | 93.6 |
専有面積 | 64.68 | 66.87(※3) |
リノベーション費用(万円) | 1,000 | 0 |
価格合計(万円) | 4,869 | 6,260 |
リノベ後の1平米単価(万円/㎡) | 75.28 | – |
総額の差額(万円) | -1,391 | – |
公益社団法人東日本不動産流通機構・中古マンションの基本指標 成約物件 2021年[首都圏]データ、築年数平均は22.67年 公益社団法人不動産流通推進センター・不動産業統計集(9月期改訂)2不動産開発・マンションの地域別平均分譲価格の推移 2021年[首都圏]データ 専有面積は平均価格/1平米単価から算出 価格は調査当時の内容であり、市況により変動します。
上記の比較では、中古マンションを買ってマンションリノベーションするほうが、新築マンションを購入するよりおよそ1391万円安いという試算の数字が出ました。
なお、こちらの試算は2021年のマンション購入平均価格、およびリノベーションの平均費用をもとに算出しています。実際のマンション価格やリノベーション費用は、地域や工事内容により大きく変動することをご了承ください。
タワーマンションリノベーションのメリットは?

タワーマンションリノベーションのメリットは、以下の3点があります。
- 眺望を生かした間取りを設計できる
- 新築同様の空間と設備機能になる
- 資産価値が向上する
眺望を生かした間取りを設計できる
タワーマンションのリノベーションのメリットは、高層階ならではの、窓からの眺望を活かした間取りや内装に設計できることです。窓からの眺望をインテリアのひとつとして取り入れることで、贅沢で開放感あふれる空間演出をすることができるでしょう。
マンションリノベーションの間取り事例について詳しくはこちら
タワーマンションのリノベーション事例はこちら
新築同様の空間と設備の住まいになる
タワーマンションをリノベーションすると、築古のタワーマンションであっても、新築同様の空間と最新の設備を手に入れることができます。
リノベーションでは、キッチンやトイレなどの水回りを最新の設備にすることで、使い勝手が良くなり、住まいの快適性が向上します。さらに、最新の省エネ設備やエアコン、ユニットバスを導入することで、住まいの快適性が向上するだけでなく、水道光熱費の削減も期待できるでしょう。
また、古いタワーマンションでは断熱性能や防音性能が低いことが多いのですが、これらを改善することでさらに快適な生活環境を手に入れることが可能です。
このように、リノベーションはタワーマンションに新築同様の快適性と最新の機能をもたらし、長期的なコスト削減にもつながる選択肢です。
資産価値が向上する
適切なリノベーションを行うことで、マンションの資産価値が高まる可能性があります。
中古マンションは築20年から30年ほどで販売価格がもっとも低くなります。しかし、例えば和室を洋室に変更したり、ウォークインクローゼットを新設したりすることで、暮らしやすい間取りにすることができます。これに加えて、古くなった設備や内装を一新することで、物件の魅力が増し、付加価値が向上して、将来の売却価格が上がる可能性があります。
ただし、リノベーションをすれば必ず資産価値が高まるわけではありません。例えば個性的なリノベーションを行うと需要が限られ、資産価値(販売価格)や市場価値が下がる可能性もあります。
将来の売却を視野に入れていて、資産価値を高めたいと考えるのであれば、リノベーションの担当者と相談しながら計画することをおすすめします。
タワーマンションをリノベーションする時の注意点
タワーマンションのリノベーションを成功させるには、以下の点に注意しましょう。
- 工事期間が長くなる場合がある
- 管理規約による間取りやデザインの制限を確認する
- 騒音トラブルにならないよう事前に挨拶をする
- 実績のあるリノベーション業者を選ぶ
工期が長くなる場合がある
タワーマンションのリノベーション工事では、工期が予定より長くなるリスクがあります。
その要因として、まず、タワーマンション特有の管理規約によるものが挙げられます。例えば、搬出入用エレベーターの使用時間が制限されていたり、敷地内に工事車両が駐車できなかったりなど、作業や建材の搬入がスムーズに進まない可能性があります。
また、施工業者が工事前に調査を行っても、床下の配管や断熱材など目に見えない部分で問題が発覚することがあります。さらに、設備や配管の老朽化が予想以上に進んでいる場合、追加の作業や費用が必要となる場合もあります。
このように、さまざまな要因によって工期が延びる可能性があるため、余裕を持った計画と柔軟な対応が重要です。
管理規約や構造による間取りやデザインの制限を確認する
マンションの管理規約や構造上の制限により、希望の間取りやデザインを実現できない場合があります。
まず、マンションリノベーションでは、専有部分のみが工事の対象で、外観に影響する窓のサッシ、バルコニー、玄関ドアなどの共用部分に手を加えることはできません。
また、マンションの管理規約によっては、床の遮音性能が決められており、選べる床材に制限がある場合もあります。
さらに、既存の配管やスプリンクラーの位置などにより、間取りの変更範囲に制限があるケースも考えられます。
管理規約はマンションごとに異なるため、希望を実現するための自由なリノベーションができるかどうか、事前に管理規約をよく確認しておきましょう。
マンションリノベーションでできること・できないことについて、こちらのページで詳しく解説しています。
騒音トラブルにならないよう事前に挨拶する
タワーマンションに限らず、マンションリノベーションには工事の際に騒音が伴います。両隣や上下の住戸を含む近隣の住民が知らないうちに工事を開始し、毎日騒音を発生させるようではご近所トラブルにつながる恐れがあります。トラブルの原因は騒音だけでなく、機器の搬入時などに、周囲の世帯に不便をかけることも考えられます。工事前に近隣住民に挨拶して工事の内容や期間を説明し、良好な関係を維持しつつ、理解を得るように努めましょう。
実績のあるリノベーション業者を選ぶ
タワーマンションの場合、通常のマンションより規約が厳しいことが多く、それらの規約に守って工事を進める必要があります。そのため、タワーマンションのリノベーションに実績がある業者を選ぶことが成功の鍵になります。
さらに、リノベーションサービスを提供する業者には、建築設計、構造、配管、電気工事、インテリアデザインなどさまざまな専門知識が必要になります。施工実績やお客様の声に加え、会社の体制や担当者の対応などしっかり確認して、信頼できる施工業者を選びましょう。
また、三井デザインテックでは、マンションリノベーションに関する有用な記事を多数提供しています。
例えば、マンションリノベーションの流れや費用相場、注意点、デザイン・テイスト別の事例など、さまざまなテーマのコラムを掲載しております。デメリットを解消するために、これらの記事を参考にしてみてください。
詳しくは、三井デザインテックの「リノベーションコラム(記事一覧)」をご覧ください。
タワーマンションリノベーションの事例
ここからは、タワーマンションをリノベーションした事例をご紹介します。
贅沢な眺望と共に豊かな時間と快適な生活空間を実現

Data
- 延床面積
- 130.96㎡
- 施工面積
- 130.96㎡
- 築年数
- 13年
- 施工内容
- 全面改装
- 家族構成
- 夫婦+子
海外に在住のお施主様が、日本滞在時の拠点として購入されたタワーマンションをリノベーションした一例です。お施主様が思い描く空間のイメージを汲み取りながら、実際にこの住まいを使うお子様が快適に暮らすことができる、高いデザイン性と機能性のあるインテリアを提案しています。

都心にありながら広い空と緑豊かな眺望を楽しむことができるリビング・ダイニング。その眺望を活かし、窓辺と室内側それぞれに向かって座ることができる大きなソファを配置。家具をできるだけ少なくしつつ、高さが低い調度を採用することで、視線の抜けを生んで室内に多くの外光を取り込めるよう設計しています。

リビングに隣接するワーキングスペースを設け、木の格子戸によって仕切ることができるようにしました。作業に集中する際は引き戸を閉めて個室とし、普段は開け放つことでリビングやダイニングに広がりと開放感をもたらします。自然素材を用い、ベージュをベースとした落ち着いたアースカラーでインテリアをまとめることで、広さや温かみと同時に、癒しの効果も期待できる空間となっています。
一流ホテルのバーのような寛ぎのダイニング
資産価値を高めるリノベーションで快適な暮らしを

Data
- 延床面積
- 81.13㎡
- 施工面積
- 81.13㎡
- 築年数
- 4年
- 施工内容
- 全面改装
- 家族構成
- 夫婦
理想の立地に住めるように、当初から都内で中古マンションを買ってリノベーションすることを決めていました。部屋の位置やレイアウト、部屋数はほとんど変えず、すべてのインテリアを一新。特にこだわったのはリビング・ダイニングでした。スタイリッシュな空間を要望していたので、キッチンを独立型からオープン型へ。ダイニング側と廊下側で分断されていたリビング・ダイニングが、視線の先に都心を見渡せる開放的なワンフロアへとグレードアップしました。

ダイニングはゆとりのひとときが過ごせる一流ホテルのようなバースペースに。ホテルライクテイストを実現化する上で、グレイッシュトーンのインテリア、タイルやフローリングといった仕上げやダウンライトや間接照明などの照明計画もポイントです。特にリビングやダイニングでは、ナチュラルなタイルやフローリングを用いて、上質な空間を演出しています。

リノベーション前のキッチンは独立型で、隣の納戸へのアクセスも不便だったので、個室だったキッチンの壁をなくしてフルオープン型に変更しました。廊下側のドアを開けると眺望が開け、リビング・ダイニングは、一層伸びやかで開放的な空間となりました。資産価値を高めるリノベにより、お施主様ご夫婦の快適な暮らしが実現しているのです。
上質な家具にフィットした、大人のモダン空間で叶える理想の暮らし

Data
- 延床面積
- 126.91㎡
- 施工面積
- 118.25㎡
- 築年数
- 10年
- 施工内容
- 部分改装
- 家族構成
- 夫婦
お施主様ご夫妻の住まいは、パノラミックな眺望を楽しめる高層マンションの1室。お気に入りの家具やインテリアに囲まれた暮らしをしたいと、築10年の物件を購入しました。間取りの大きな変更はせずに、こだわりの家具にフィットしたシックなカラーリングの壁や突板床を採用したリノベーションをしました。

リビングの一画は夫妻のワークスペースとなりました。突板のご主人様の机(左側)は、天板から少し立ち上げを設けて本が収容できるようになっています。

寝室のベッドは下部収納付き。カーテンもこだわりのコーディネートをしました。フルリノベーションに合わせてインテリアテイストを統一しました。
贅沢な時間を生むホテルライクなリビング&バスルーム

Data
- 延床面積
- 84.36㎡
- 施工面積
- 84.36㎡
- 築年数
- 12年
- 施工内容
- 全面改装
- 家族構成
- シングル
お施主様は同じタワーマンション内に複数の部屋を所有されており、そのうちの1室をリノベーションした一例です。普段は他県を拠点に生活されているため、東京で過ごす際にホテルのような感覚で快適に過ごせる空間を求めていらっしゃいました。
水回りを含む元々の間取りを大きく変更し、広い開口部を持つリビングの隣りにガラス張りのバスルームを配置することで、視線の抜けと空間の広がりを感じるレイアウトになっています。
また、部屋の一部には、建材関係のお仕事をされているお施主様らしい、魅力的な表情を持つ大谷石の壁を設け、モダンなインテリアの中に自然素材の上質で温かみのある雰囲気を生み出しています。

ベッドのヘッドボード側の壁面には、大谷石を一面に配し、割り付けた石それぞれに異なる挽き目を施すことで、重厚感がありながらも柔らかみとアートオブジェのような美しい印象を与えています。

リビングに隣接する新設のバスルームは、ガラス張りとすることでリビングからの空間の広がりを演出すると共に、バスルームから窓の外の夜景を望める、贅沢なひと時を過ごせる場所となっています。
タワーマンションリノベーションの流れ
1.理想のデザイン・間取りのイメージを決める
タワーマンションをリノベーションする際は、高層階からの眺望を生かした間取りへの変更が人気です。その場合、まずはどの部屋からの景色を重視するかを決めましょう。例えば、家族の共有空間となるリビング、仕事部屋、あるいは入浴しながら景色を楽しめる浴室など、希望を明確にしましょう。
それに合わせて、「高級感のあるホテルライクな空間」「ヴィンテージ風」「和モダン」など、内装やインテリアのイメージについて、具体的なテイストを決めていきます。さらに機能性を重視する場合には、キッチンの改修、収納スペースの追加、バリアフリー化などの項目も検討しておきましょう。
マンションリノベーションのデザイン・テイストについて詳しくはこちら
2.マンションリノベーションの時期・工事期間を確認する
リノベーションを実施する時期を想定し、実際に工事にはどのくらいの期間がかかるのかを確認しましょう。並行して、施工期間中の仮住まいをどうするのかについても調べておきましょう。三井デザインテックでは仮住まいについてもサポートさせていただきますので、お気軽にご相談ください。
3.費用を調べて予算を決める
まずは、リノベーションに必要な費用を調べながら、希望予算を決めましょう。実際の事例を見るうちに「あれもいいな」「これも入れたいな」とやりたいことはどんどん増え、予算よりも膨らんでしまう傾向にあります。最初にまず大まかな予算を決めておきましょう。
次に、実現したいマンションリノベーションの費用相場を調べてみましょう。費用相場を確認することで、予算の範囲内でどのようなリノベーションプランを実現できるのか、イメージをつけやすくなります。
また、資金計画も重要です。資金計画を立てる時には、マンションリノベーションに利用できる補助金、必要な税金手続きや住宅ローンなども調べておきましょう。
4.実現したいイメージを伝え、見積もりを依頼する
マンションリノベーションの実際の費用は、マンションの特性によっては相場と異なる場合もあります。実際に見積りを確認するまで明確な費用は分かりませんので、早めに見積りを依頼しましょう。
担当者が決まったら、補助金やローンについても相談できますので、リノベーションを検討し始めたらまずは一度相談してみることをおすすめします。
ご相談から、現地調査・お打合せ、ご契約、工事・検査、お引渡しなどの流れについては、こちらのページをご覧ください。
マンションリノベーション・リフォームをトータルでサポートいたします
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2. 経験豊富な専門スタッフによるプロジェクトチーム制
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