マンションリノベーションは、設備のアップグレードや間取りの変更が行えるため、カスタマイズの自由度が高く、自分たちの夢や理想の住まいを実現しやすくなります。一方で、マンションの構造、管理規約、費用面などの制約により、理想どおりに進められない場合もあるため、注意が必要です。
この記事では、マンションリノベーションの際のトラブルを未然に防ぎ、予期せぬコストを避けるための注意点として、築年数や耐震基準、管理規約、修繕積立金などに関するポイントを解説します。
マンションリノベーションの注意点は?
マンションリノベーションは、新築マンションを購入する場合と比べ、費用面や間取りの自由度の面でメリットが多く、理想の住宅を実現する手段として人気が高まっています。
一方で、マンションリノベーションには、事前に注意すべき点もいくつかあります。
マンションリノベーションには、大きく分けて、中古マンションを購入してリノベーションする方法と、居住中のマンションをリノベーションする方法の二通りがあります。
中古マンションを購入してリノベーションする方法は、間取りやデザインを好みどおりにカスタマイズできるため、新しいライフスタイルやご家族の好み、動線を考慮した理想の間取りを実現できます。選べる物件数やエリアも多く、自分の希望に合った物件を見つけやすい点も魅力です。
現在住んでいるマンションをリノベーションする方法は、住み慣れた環境をそのままに、生活スタイルや家族構成の変化に合わせて内装や設備を新しくすることで、理想の住まいを実現します。
次に、それぞれについて具体的な注意点を解説します。
中古マンションを購入してリノベーションする場合の注意点
中古マンションを購入してリノベーションする場合、以下の点に注意が必要です。
1.管理規約による間取りやデザインに制限がないか
マンション管理規約や構造によって、間取りやデザインの制約を受けることがあります。その場合、理想の間取りやデザインを100パーセントかたちにできないため、注意が必要です。
マンションリノベーションでは、専有部分のみが工事の対象で、共用部分はリノベーションできません。また、マンションの構造上難しい工事もあります。
具体的には以下のような制限があるため、注意が必要です。
- 構造上変更できない柱や壁がある
- サッシや玄関ドアは交換できない
- パイプスペースの移動ができない
上記の部分については間取りを確認し、そのままでも見た目や機能面に問題がないかを確認しましょう。
また、マンションの管理規約や構造によっては、施工内容に以下のような制約を受ける場合もあります。
- 床暖房を設置できない
- 床材の防音性能に基準がある
- 水回り設備の移動ができない
- 電気容量を追加できない
マンションごとの管理規約や構造により詳細が異なるため、事前の確認が必須です。マンションの構造が分からない場合は、まずは担当者に相談してみましょう。
2.断熱性に問題はないか
暮らしの快適性に大きく影響するため、断熱性能を確認しておきましょう。断熱性は、冷暖房の効きやすさや、結露の発生しやすさに直結します。
マンションは、木造の戸建て住宅と比較すると、断熱性が高い傾向にあります。
しかし、物件によってはサッシや窓ガラスの性能などにより、断熱性が低い居住空間もあるため、注意が必要です。
3.マンションの修繕積立金や管理費が高くないか
マンションの修繕積立金は、建物の共用部分の修繕に充てられる費用で、マンションの長期的な維持管理において重要な役割を果たしています。具体的には、外壁塗装、屋上防水、エントランスの改修などに使用されます。
一般的に、マンションの築年数が古くなるほど、修繕積立金の金額は高くなる傾向にあります。これは、建物の老朽化に伴い、修繕の必要性や規模が高まるためです。
マンションの大規模修繕は、通常12〜15年に一度の頻度で行われます。定期的な大規模修繕に備えるために、区分所有者は毎月一定額の修繕積立金を積み立て、マンションを所有している間は毎月支払い続ける必要があります。また、原則として、マンションを売却しても修繕積立金は返却されません。
修繕積立金がどの程度になるのか事前に確認し、資金計画に組み込んでおくようにしましょう。
4.新耐震基準を満たしているか
中古マンションを購入する際には、新耐震基準を満たしているかどうかを確認するようにしましょう。
1981年6月に建築基準法が改正されて新耐震基準が適用されるようになり、震度6〜7程度の地震であっても倒壊しないレベルの基準が設けられました。
1981年以降のマンションでは、震度6以上の地震でも倒壊しないように設計されていますが、1981年以前に建築されたマンションには旧耐震基準が適用されており、震度6以上の大地震に見舞われると倒壊するリスクがあります。
マンションリノベーションの場合、工事ができる範囲は自分たちが居住する空間だけであり、マンション全体の耐震性向上とは無関係です。1981年以前の旧耐震基準の中古マンションを購入するかどうかを検討している場合には、耐震補強工事がされているかどうかを必ず確認しておきましょう。
また、新耐震基準を満たしているマンションは、住宅ローン控除が利用できるため、費用を抑えることができます。一方、旧耐震基準で建てられたマンションでのリフォームローンでは、住宅ローン控除が適用できない場合もあり、金利も高い傾向にあるため、トータルの負担が大きくなる可能性があります。
費用を抑えるためにも、新耐震基準を満たしているマンションを検討しましょう。
5.諸費用を計算しているか
中古マンションのリノベーションでは、物件購入費やリノベーション費用以外にも税金や手数料など、さまざまな費用が発生します。例えば、以下の費用です。
- 不動産会社への仲介手数料
- 不動産登記の費用
- 登録免許税
- 印紙税
- 火災保険料
- 住宅ローンの融資手数料
- 不動産取得税
- 引越し費用
ローンの有無や間取りなどによって、金額と項目は変わりますが、一般的には物件価格の10%ほどかかると考えておきましょう。
また、リノベーション工事の場合、工事代金の一部を手付金として事前に支払わなければならないことがあります。
これらの費用は現金で支払うものが大部分です。そのため、諸費用のための現金を準備しておく必要があり、注意が必要です。
居住中のマンションをリノベーションする場合の注意点
現在住んでいるマンションをリノベーションする場合は、以下の点に注意が必要です。
1.優先順位を決めて予算を立てる
リノベーションを進める際には、優先順位を決めておくことが大切です。理想のデザインを追うあまり、予算オーバーにならないよう注意する必要があります。
予算を充てる優先順位を決めておき、「キッチンにはこだわるが、壁や天井の内装にはこだわらない」などのように、どこに優先的に予算を充てるかを明確にしておきましょう。
どの程度の予算がかかるのかについては、以下を参考にしてください。
2.将来を見越した間取りとデザインにする
リノベーションでは、今の生活を基準にして間取りやデザインを決めてしまいがちです。今後、長期間住むことを考慮し、ライフプランを踏まえて間取りやデザインを設計しましょう。
例えば、お子さんが自立した後の子ども部屋の使い道、老後の生活に支障が出ないよう収納の高さや使い勝手を工夫する、等々です。
3.配管や断熱材などの見えない部分の修繕の必要性、程度を確認する
床下の配管や断熱材の状態など、目に見えない部分についても確認が必要です。間取り変更をしない場合、床下の配管をそのままにしてリノベーションするケースもあります。
しかし、築年数が経過したマンションの場合、配管部分の劣化も進んでいます。リノベーション後に配管からの水漏れなどのトラブルに発展するリスクに注意が必要です。
配管部分を更新すると工事費用が追加となりますが、配管部分まで新しくしておくことでトラブル防止につながります。
4.仮住まいを準備する
リノベーションの工事期間中は居住できないため、仮住まいが必要です。そのため、仮住まいへの引越し費用や家賃、一時的な荷物の保管にかかるトランクルーム費用なども予算に含めておくようにしましょう。さらに、仮住まいの場所や契約条件も事前にしっかりと確認しておくことが重要です。
5.信頼できる業者を選ぶ
リノベーションを成功させるためには、信頼できる業者選びが重要です。
マンションのリノベーションには、高度な専門知識が必要で、不動産会社や設計事務所、工事会社、銀行など、関わる業者が多数います。
そのため、信頼できる業者に依頼できないと、コミュニケーションの齟齬が発生し、思うようにリノベーションが進まない可能性があります。
特に、アフターフォローの充実度や、相談しやすい体制が整っているかなどは、工事中だけでなく工事後まで影響します。信頼できる業者かどうかをしっかりと見定めましょう。
リノベーションとリフォームの違いは?
リノベーションとは住空間全体を見直し、従来の状態よりも快適さや機能性を向上させ、住まいの質を高めることを目的とした改装工事です。間取りの変更など大掛かりな工事が含まれることもあります。
一方リフォームとは、古くなったり使い勝手が悪くなったりした設備機器や部品の取り換え、建具交換やフローリング貼替、クロス貼替など、新しくより使いやすいものに交換する改装工事です。
マンションリノベーションの費用相場は?
マンションでフルリノベーション(マンションの内部を骨組みだけ残して解体し、新しい間取りにするスケルトンリノベーション)する場合、1㎡あたりの大まかな費用相場は以下の通りです。
- 標準的なフルリノベーションの場合:25万円~
- ハイグレードなフルリノベーションの場合:30万円~
ただし、以下のような要因によって費用は大きく変わってきます。
- 水回りを移動させるなどの配管工事が必要な場合
- 高級な床材や壁材、クロス素材などの内装材を選んだ場合
- 間取りを大きく変更するなどで、工事期間が長期に亘る場合
これらの要素によって、リノベーションの費用は大きく上下する可能性があります。マンションリノベーションの費用について詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
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2024.06.13時点の情報です