家族の人数が変わったり、仕事の仕方が変わったりで、家に求めるポイントはライフステージに応じてどんどん変わっていきます。家が少し使いづらいかも、いまの暮らし方に合っていないかも……そう気になり出したら、リノベーションを検討してみませんか。より住みやすい家にするためにどのようなリノベーションがあるのか、さまざまな事例をご紹介します。
また、マンションリノベーションにかかる実際の費用、建物の構造による間取り変更の制限や、マンションリノベーションのメリット・デメリット、計画の進め方のポイントなど解説していきます。
【目次】
リビング・ダイニング・キッチン(LDK)の間取り変更の事例
間取りを変更することでリビング・ダイニング・キッチン(LDK)を広くするマンションリノベーションが人気です。ここでは、リノベーションで快適なLDK空間を実現した2つの事例を紹介いたします。
リビングと洋室をつなげ、光あふれる広々リビングを実現したリノベーション事例
Before
After
このリノベーションは、間取り変更により広々としたリビング・ダイニングを実現した事例です。バルコニーに面したリビング・ダイニングと二つの洋室を一体化し、明るく開放感のあるリビング・ダイニング空間を実現。戸建てのような広々とした空間が生まれました。
玄関を開けるとすぐに緑が目に入るようにデザイン。廊下を進むと、左右に大きくリビング・ダイニングが広がるよう演出されています。
リビングを通じて子供部屋や寝室にアクセスできるよう動線を効率的に配置して、同時に家族間のコミュニケーションが増えるよう設計されています。
【Data】
- 家族構成 夫婦 お子様2人
- 築年数 17年
- 間取り 3LDK→3LDK+ウォークインクローゼット
- 改修範囲 全面改装(スケルトンリノベーション)
キッチンを壁付けから対面型に変更し、動線を改善したリノベーション事例
Before
After
こちらの事例は、和室を減らし、リビング・ダイニング・キッチンを拡張したリノベーションです。
壁付け型から対面型へと変更されたキッチンでは、料理をしながらカウンター越しに家族とコミュニケーションができるようになりました。
和室を統合して広げたリビングと、アイランド式で回遊可能なキッチンにより、広々としたLDK空間が実現し、家族の憩いの場となっています。
家事が効率的におこなえるよう、キッチンの隣に家事室を設置しました。キッチンからサニタリーまで直線的に配置されており、廊下からキッチンにアクセスできる動線が確保されています。キッチン内外が一体となって、家族全員が料理を楽しめる環境を整えました。
【Data】
- 延床面積 121.24㎡
- 施工面積 121.24㎡
- 家族構成 夫婦 お子様1人
- 築年数 20年
- 間取り 4LDK→3LDK+ウォークインクローゼット
- 改修範囲 全面改装(スケルトンリノベーション)
用途にあわせて間取りを変更したリノベーション事例
ここでは生活スタイルの用途にあわせて間取りを変更したリノベーション事例を3つご紹介します。
書斎・ワークスペースの間取りを設けたリノベーション事例
Before
After
こちらのリノベーションでは間取りを大きく変更して、広々としたリビング・ダイニングを実現しました。
書斎はリビングとつなげ、愛猫の気配を感じながら仕事ができるよう、セミオープンなスタイルを採用しています。
光が多く入る東側にリビングと寝室を設け、間仕切り壁をできるだけ取り除きました。風通しがよく、明るい住まいになるようプランニングされています。
また、寝室からウォークスルークローゼットを抜け、サニタリーへ向かえる一直線の動線を設けています。日々の生活のしやすさを考慮した設計です。
【Data】
- 家族構成 単身
- 築年数 14年
- 間取り 3LDK→1LDK+ワークスペース
- 改修範囲 全面改装(スケルトンリノベーション)
夫婦それぞれの空間を間取り変更で実現したリノベーション事例
Before
After
こちらの事例では、ご夫婦それぞれのプライベートスペースを確保しながら、お互いの気配が感じられるように間取りが見直されました。壁式構造の物件で大幅な間取り変更が難しい中、撤去可能な壁をできるだけ取り除き、リビング・ダイニング・キッチン、そしてご夫婦それぞれのスペースを緩やかにつなげる工夫が施されています。
撤去できない構造壁を活かし、カウンターと吊り戸棚を設置。キッチンとの境目をすっきり見せながら、回遊動線のある使い勝手の良い空間が生み出されています。
【Data】
- 延床面積 97.43㎡
- 施工面積 97.43㎡
- マンション構造 壁式構造
- 家族構成 夫婦
- 築年数 30年
- 間取り 3LDK→2LDK+書斎
- 改修範囲 全面改装(スケルトンリノベーション)
大きなウォークインクローゼットと、開放的な空間を実現した事例
Before
After
こちらのリノベーションは、広い生活空間を生み出しながら、大容量の収納スペースを確保した事例です。
キッチンの壁を取り払って明るく大きなLDK空間を作り、家族が広々と過ごせる憩いの場を実現。
和室はまるごとウォークインクローゼットに変更し、玄関のシューズクロークから主寝室まで回遊できる、風通しのよい収納スペースが生まれました。
玄関の納戸をシューズクロークにリノベーションしました。ハンガーラックも設置し、使い勝手もアップ。シューズクロークからウォークインクローゼットまで動線が続いており、収納しやすいよう工夫されています。
【Data】
- 延床面積 124.65㎡
- 施工面積 124.65㎡
- 家族構成 夫婦 お子様2人
- 築年数 40年
- 間取り 3LDK→2LDK+ウォークインクローゼット
- 改修範囲 全面改装(スケルトンリノベーション)
家族の成長や構成にあわせて間取りを変更したリノベーション事例
マンションリフォームのきっかけのひとつに、家族の成長や独立などのタイミングがあります。そこで、ライフステージに合わせてリノベーションした事例を2つご紹介します。
子供部屋を新設するために間取りを変更した事例
Before
After
お子さんの成長にあわせて、子供部屋のスペースを増設したい、というご希望のリノベーションもよくあります。
こちらは、フルリノベーションによって2つの子供部屋を新設した事例です。細長い家を、家族が過ごす空間とプライベートスペースに2分割しました。
ベランダから玄関まで縦長に広がるリビング・ダイニングスペースが特長です。その隣には子供たちの部屋、キッチン、サニタリー、主寝室が引き戸を使用してすっきりと配置されています。
【Data】
- 家族構成 夫婦 お子様2人
- 築年数 27年
- 間取り 2LDK→3LDK
- 改修範囲 全面改装(スケルトンリノベーション)
お子様の独立をきっかけに、ひとり暮らしのためにリノベーションした事例
Before
After
ひとり暮らしになったことをきっかけに、家族と長年暮らしたマンションを全面リフォームした事例です。
LDKと洋室を一体化して、広々とした空間を作りました。あわせて、念願の書斎スペースも設置。機能的な収納も設置され、生活しやすさも考慮されています。
和室は、使い勝手をよくするため、リビング・ダイニングの床面とフラットにつながる設計です。障子で仕切ることで、寝室や客間としても活用できます。和室の内部には、梁の段差を利用した間接照明が設置され、変化に富んだ空間が演出されています。
【Data】
- 延床面積 63.41㎡
- 施工面積 63.41㎡
- マンション構造 RC造
- 家族構成 単身
- 築年数 34年
- 間取り 3LDK→1LDK+ウォークインクローゼット
- 改修範囲 全面改装(スケルトンリノベーション)
間取りタイプ別・マンションリノベーションの費用相場は?
ここでは、以下のマンションリノベーションの費用相場について解説します。
間取りタイプ別・マンションリノベーションの費用相場
マンションの間取りタイプ別・スケルトンリノベーション(フルリノベーション)した場合の平米(㎡)あたりの費用相場
- 一般的なマンション・高級マンションの場合:25~30万円程度/平米(㎡)
- ハイグレードマンションの場合:30~35万円程度/平米(㎡)
スケルトンリノベーションの広さ・間取り別の費用相場は以下のとおりです。
専有面積(㎡) | リノベーション後の想定間取り | 費用相場 |
---|---|---|
50 | 1LDK〜2LDK | 1,250万~1,500万 |
60 | 1LDK〜2LDK | 1,500万~1,800万 |
70 | 1LDK〜3LDK | 1,750万~2,100万 |
80 | 1LDK~3LDK | 2,000万~2,700万 |
90 | 1LDK〜3LDK | 2,250万~2,400万 |
100 | 1LDK〜4LDK | 2,500万~3,000万 |
110 | 2LDK〜4LDK | 2,750万~3,300万 |
120以上 | 2LDK~4LDK | 3,000万~ |
スケルトンリノベーションの下限費用目安は1㎡あたり約25万円を想定し、上限はグレードの高い設備などを設置する場合を想定し1㎡あたり約30万円としています。
間取りや、利用する素材などにより価格は変わります。
間取り変更をともなうマンションリノベーションの費用は?
間取り変更をともなうマンションリノベーションの費用は、以下のような工事やリフォーム内容により費用が変動します。
- 水回りの移動により、配管工事が必要な場合
- 高級な内装材(床材、壁材、クロス素材など)を利用する場合
- 大幅な間取り変更にともない、工事期間が長くなる場合 …など
早めに見積りを依頼するのがおすすめ
上記で説明したように、間取り変更をともなうリノベーション費用は、大きく変動することがあります。そのため、マンションリノベーションを検討しはじめる段階から、見積りを取ることをおすすめします。
早めにマンションリノベーション工事費用の見積りを入手できれば、予算内で実現可能なリノベーション内容を把握しやすくなり、ローンや補助金などの資金計画を立てやすくなります。
マンションリノベーションで間取りを変更するメリット
マンションリノベーションで間取りを変更する主なメリットをご紹介します。
家族構成やライフスタイルの変化に柔軟に対応できる
マンションリノベーションは、家族構成やライフスタイルの変化にあわせて、最適な間取りを実現できます。
家族構成やライフスタイルの変化の例
- 子供が成長して子供部屋が必要になった。
- 子供が自立して、部屋が使われなくなった。
- リモートワークで自宅での仕事が増えた。
- ケガや病気で、段差をなくすなどのバリアフリー化が必要になった。 …など
開放感を高め、より広い空間を実現できる
間取りを変更して空間を広げることで開放感が高まります。
間取りを変更して開放感をアップした例
- 和室やあまり使わない部屋をなくしてリビングを広くする。
- スケルトン天井を取り入れて天井を高くみせる。
- 窓が見える場所を増やして採光を得やすくする。
- キッチンの壁などを取り払い視界を広げる。 …など
収納スペースを増やして利便性をアップできる
マンションリノベーションで収納スペースを増やすことで、生活の快適性をアップできます。
間取り変更によるリノベーションで生活の快適性がアップした事例
- ウォークインクローゼット(WIC)を新設して収納不足を解消。
- シューズクローゼット(シューズクローク)や、玄関収納を作って屋外で使うアイテムの収納力をアップ。
- キッチンに併設するパントリーで調理道具や常温食材を保存できるスペースを追加。
- 壁面収納で収納スペースを確保して、インテリアもおしゃれに。 …など
住み慣れた空間で、新しい生活を楽しめる
マンションリノベーションは、住み慣れた環境のまま、より快適な生活を実現できるのも大きなメリット。
住み慣れた場所を重視したマンションリノベーション事例
- 通勤、学区、ご近所との関係、買い物など、生活環境の利便性が高い。
- 長年住んだ部屋は住み心地がよく、安心感がある。
- 住み慣れた生活環境を変えて、新たな場所で生活するのは不安。 …など
マンションリノベーションで間取りを変更するときの注意点
マンションリノベーションは、希望どおりの間取りに変更できないケースもあります。そこで、マンションリノベーションの前に注意すべき4つのポイントを紹介します。
配管の位置は調査が必要な場合もありますので、早めに調査を依頼しましょう。
希望の間取りへ変更できないことも
マンションリノベーションでは、建物の構造により、間取りを自由に変更できないこともあります。マンションの主な構造は2つのタイプがあります。
1. ラーメン構造
柱や梁(はり)が主体で建物を支える構造。間仕切り壁を取り外して、比較的自由に間取りを変更できます。構造躯体(くたい)の柱や梁を壊すことはできません。
2. 壁式構造
壁で建物を支える構造。室内に撤去出来ない壁が残り、間取り変更には制約があります。
マンションの構造がわからない場合は、担当者に相談して現地調査を実施しましょう。
配管の場所によって、水回りの移動が制限される
水回りのリノベーションは、配管の場所により、移動場所が制限されることもあります。
床の構造が二重床で、給排水管のパイプが床スラブ(コンクリートの床)の上を通っていれば水回りの移動が可能です。
床下の空間には排水のための勾配が必要ですが、床下の高さにゆとりがあれば水回りの移動範囲は広くなります。
直床(床スラブ貫通配管)構造では、給排水管を移動できる空間がなく、水回りの移動が制限されます。
マンション管理規約を事前にチェック
マンション管理組合の定める規約により、リノベーションが制約される場合もあります。事前にマンション管理規約をチェックしてみましょう。
マンション管理規約の内容に不安がある場合は、担当者へ相談してみましょう。
売却時の資産価値が下がることも
マンションリノベーションは資産価値を高めることができますが、極端に個性的なリノベーションをすると、マンション売却時の資産価値が下がる可能性もあります。
リノベーションによりマンションの資産価値を高めたい場合は、リノベーションの担当者と相談しながら計画することをおすすめします。
マンションリノベーションの進め方とチェックポイント
マンションリノベーションをスムーズに進めるためのステップをご紹介します。
- 理想のデザイン、間取りタイプ、間取り変更のイメージを決める
- 相談会やオンラインセミナーを活用して情報を集める
- マンションリノベーションの時期、工事期間を確認する
- マンションリノベーションの費用相場を調べる
- 実現したいイメージを伝え、見積りを依頼する
- 資金計画を立てる
- マンションリノベーションのご契約へ
理想のデザイン、間取りタイプ、間取り変更のイメージを決める
まずは、マンション・リノベーション事例やカタログ、ショールームを見ながら、実現したいリノベーションの間取り、デザイン、生活イメージを固めていきましょう。
相談会やオンラインセミナーを活用して情報を集める
マンションリノベーションの完成見学会や相談会、オンラインセミナーを活用して、実例や費用、完成イメージについての情報を集めましょう。
マンションリノベーションのデザインや費用についても相談できます。
マンションリノベーションの時期、工事期間を確認する
住み慣れたマンションをいつ頃リノベーションをするか、また、工事期間はどのくらいかかるのか目安を確認しましょう。施工期間中の住まいについても調べておきましょう。
マンションリノベーションの費用相場を調べる
実現したいマンションリフォーム・リノベーションの費用相場を調べてみましょう。費用相場を確認することで、希望予算でどのようなリノベアイデアを実現できるかイメージがつきやすくなります。
実現したいイメージを伝え、見積りを依頼する
マンションリノベーションの実際の費用は、相場と異なる場合もありますので、見積りを確認するまでわかりません。早めに見積りを依頼しましょう。
資金計画を立てる
見積りでマンションリフォーム・リノベーション費用を把握したら、資金計画を立てましょう。資金計画を立てるときに、マンションリフォーム・リノベーションで活用できる住宅ローンや補助金、税金手続きなどを担当者へ相談しましょう。
マンションリノベーションのご契約へ
マンションリフォーム・リノベーションのイメージや見積りに納得されたら、いよいよご契約へ。
リノベーションご契約後の流れについて詳しくはこちらをご覧ください。
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