田の字型マンションリノベーションの事例を画像・間取り図付きで紹介します。また、リノベーションのポイントとメリット、注意点、費用と見積もりについて解説します。
田の字型マンションとは、漢字の「田」のように、十字に部屋が区切られている間取りのことです。
マンションの間取りの中でよく見られる形で、玄関側の外廊下から部屋奥のバルコニーに至るまでの長方形の空間が活用されています。玄関ドアから入ると部屋の中央に廊下が通り、左右に部屋やサニタリースペースなどが配置され、奥にリビング、リビングに接する形でバルコニーが設置されています。
田の字型マンションの間取りは、主にファミリー向けの2LDKや3LDKで多く採用されています。
リビングと和室をつなげた大きなLDKには、広げた窓から明るい光が射し込みます。壁紙にはポップなミント色をセレクト。LDK入り口扉には濃紺を配置して、北欧テイストのインテリアを全体的にしつらえ、開放的で寛げる空間を実現しました。
こちらの事例は、標準的な田の字間取りの3LDKを、若い子育て家庭の暮らしに合わせて2LDKへと変更したマンションリノベーションです。
リビングと和室を一体化し、ベランダからの光が差し込む明るいリビングに。カウンターキッチンからもリビング全体に目を配ることができるなど、家族が快適に過ごせる間取りになっています。
日当たりがよく広々としたLDKは、子育てをしやすい空間に。子供がまだ幼く、家族がLDKで過ごす時間が多いことから、サニタリースペースへ直接出入りができるよう設計しました。
乳幼児の子育てに配慮した工夫が、随所に散りばめられています。玄関の収納は、下の段を大きくしてバギー置き場所に。その他の収納は一カ所にまとめられるよう、家の中央に大きなウォークインクローゼットを設置しました。
子供が増えたときのために、子供部屋は真ん中で分けられるよう設計しています。
こちらは、田の字型によく見られる部屋の独立性重視の間取りから、通気性を重視して開放的な間取りへ変更したマンションリノベーションの事例です。
キッチンを挟んで配置されていた2部屋を廃し、バスルームを大きく移動させて大胆に空間を作り替えました。風の通り道をいくつも確保し、田の字型のメリットのひとつである換気性の高さを最大限に生かした間取りを実現しています。
リビングと隣接する部屋の間仕切りをとりはずし、光が大きく差し込む広い空間を作りました。採光の良さを生かしてサンルームを設置した。サッシやガラスが複層になることで断熱性も高めています。
この間取りの最大の特徴であるウォークスルークローゼットは、玄関から直接あがることができ、さらに寝室からリビングまで抜けられます。
廊下と並行した動線を作ることで風通しを確保し、回遊性のある間取りになりました。扉を閉めれば、パブリック空間とプライベート空間を仕切ることもできます。
水回りのリノベーションは、配管の場所により、移動場所が制限されることもあります。
床の構造が二重床で、給排水管のパイプが床スラブ(コンクリートの床)の上を通っていれば水回りの移動が可能です。
床下の空間には排水のための勾配が必要ですが、床下の高さにゆとりがあれば水回りの移動範囲は広くなります。
直床(床スラブ貫通配管)構造では、給排水管を移動できる空間がなく、水回りの移動が制限されます。
フルリノベーション(スケルトンリノベーション)と部分的なリノベーションでは、施工面積が大きく異なり、必要な資材や設備、施工作業の量も異なるため、費用が変化します。
大幅な間取り変更や、配管工事が必要な水回りの移動は、工事費用が高くなります。また、特別な床材・壁材、クロス素材を利用すると材料費が高くなります。
キッチン、洗面所、浴室などの住設機器のグレード・仕様により、リノベーション費用が変化します。
工事する際の建築資材搬入コストなどで、リノベーション費用が変わります。エレベーターが無い物件や特殊な資材搬入ルートが決められている物件、タワーマンションでは費用が高くなる場合があります。
【目次】
田の字型マンションとは?

田の字型マンション間取りの特徴
田の字型マンションの間取りは、玄関から間取り中央に廊下が設けられているのが特徴です。この廊下に沿って各部屋が配置されているため、部屋同士の独立性が高まります。 また、玄関側の部屋とバルコニー側の部屋が外に面しているので窓が多く、自然光を取り入れやすく、風通しが良いのも特徴です。田の字型マンションリノベーションのメリット
田の字型マンションの間取りは壁で部屋が仕切られているため、リビングや各部屋の空間が狭くなりがちです。 しかし、リノベーションで部屋数や間仕切りを減らすことで、一部屋を広くできます。田の字型間取りのメリットである採光性や風通しの良さを生かしたまま、より快適な空間へとリノベーションが可能です。田の字型マンションリノベーション事例・デザインとレイアウト
田の字型マンションの特徴を最大限に生かしたリノベーション事例を、間取り図と画像付きでご紹介します。各事例には施工データと完成画像も掲載していますので、ぜひ参考にしてください。- 事例1:開放的なカフェのようなリビングを実現。採光性を生かした田の字型マンションリノベーション
- 事例2:子育てに快適な部屋を作り出した、田の字型マンションリノベーション
- 事例3:風の流れる住まいへ。通気性を高めた田の字型マンションリノベーション
事例1:開放的なカフェのようなリビングを実現。採光性を生かした田の字型マンションリノベーション

こちらは、田の字間取りの3LDKをフルリノベーションした事例です。廊下や水回りの位置を大きくは変更せずに、開放的で動線のよい空間を創出しました。 和室を繋いでリビングを大きくし、キッチンはカウンターの向きを変更し、カフェのような明るく広がりのあるLDKを作り出しました
- ● 施工面積
- 70.8㎡
- ● 延床面積
- 70.8㎡
- ● 家族構成
- ご夫婦
- ● 築年数
- 16年
- ● 間取り
- 3LDK→2LDK+ウォークインクローゼット
- ● 改修範囲
- 全面改装(スケルトンリノベーション)
Before
After

事例2:子育てに快適な部屋を作り出した、田の字型マンションリノベーション

- ● 所在地
- 兵庫県宝塚市
- ● 施工面積
- 75㎡
- ● 延床面積
- 75㎡
- ● 家族構成
- 3人家族
- ● 築年数
- 17年
- ● 間取り
- 3LDK→2LDK
- ● 改修範囲
- 全面改装(スケルトンリノベーション)
Before
After



事例3:風の流れる住まいへ。通気性を高めた田の字型マンションリノベーション

- ● 家族構成
- 40代夫婦
- ● 築年数
- 31年
- ● 間取り
- 2LDK→1LDK+ウォークスルークローゼット
- ● 改修範囲
- 全面改装(フルリノベーション)
Before
After



田の字型マンションリノベーションのポイント
田の字型マンションは物件数が多く、選択の幅が広いことも大きなメリットと言えるでしょう。数ある物件からわが家に適した物件を選び、マンションリノベーションを成功させるための5つのポイントをお伝えします。リビングリノベーションのポイント
田の字型間取りでは、バルコニーに接してリビングと1部屋が配置されていることが多く、この2部屋の間仕切りを取り払うことで採光性が格段にアップします。 「事例3:風の流れる住まいへ。通気性を高めた田の字型マンションリノベーション」でご紹介したように、バルコニーからの採光を最大限に生かした広い空間を作る事例が増えています。 まずは、どのような時間をリビングで過ごしたいのかをイメージし、マンションリノベーションの事例やカタログを参考に、実現したいリビング空間をデザインしましょう。廊下や間仕切り変更のポイント
田の字型の間取りは、玄関から中央にまっすぐ続く廊下が特徴です。廊下に面積を取られる分、各部屋の面積は減りますが、廊下によって各部屋が区切られているため、独立性が高いというメリットがあります。 「事例3:風の流れる住まいへ。通気性を高めた田の字型マンションリノベーション」のように、夫婦の寝室とウォークスルークローゼットのプライベート空間をパブリックから区切りやすくする、あるいは独立したゲストスペースを作るなど、用途により使い方を変えることができます。部屋数変更のポイント
限られたスペースの中に部屋数を効率よく確保するために生まれた田の字型間取りですが、マンションリノベーションの傾向としては部屋数や間仕切りを減らし、大きなスペースを確保する方が増えています。 ですが、家族構成や生活スタイルによっては、独立したスペースを確保することの方が快適なケースもあります。実際の暮らしをイメージしながら、適した部屋数や間取りを考えてみるとよいでしょう。 ただし、マンションリノベーションでは、建物の構造により、間取りを自由に変更できないこともあります。マンションの主な構造は2つのタイプがあります。1. ラーメン構造
収納力アップのポイント
田の字型の間取りでは廊下に面積をとられてしまうため、収納スペースが少なくなりがちです。 マンションリノベーションの際には、収納スペースの確保も重要なポイントになります。誰がいつどう使うのかを具体的にイメージして、収納力アップをプランに組み込みましょう。水回り変更のポイント

田の字型マンションリノベーションの注意点
マンションリノベーションは、希望どおりの間取りに変更できないケースもあります。 そこで、マンションリノベーションの前に注意すべきポイントを紹介します。 配管の位置は調査が必要な場合もありますので、早めに調査を依頼しましょう。マンション管理規約を事前にチェック
マンション管理組合の定める規約により、リノベーションが制約される場合もあります。事前にマンション管理規約をチェックしてみましょう。 マンション管理規約の内容に不安がある場合は、担当者に相談してみましょう。売却時の資産価値が下がることも
マンションリノベーションは資産価値を高めることができますが、極端に個性的なリノベーションをすると、マンション売却時の資産価値が下がる可能性もあります。 リノベーションによりマンションの資産価値を高めたい場合は、リノベーションの担当者と相談しながら計画することをおすすめします。田の字型マンションリノベーション費用と見積もりのポイント
ここでは、以下のマンションリノベーションの費用相場について解説します。田の字型マンションリノベーションの費用相場は〇〇万円
田の字型(3LDK)間取りタイプ別・スケルトンリノベーション(フルリノベーション)した場合の平米(㎡)あたりの費用相場- 一般的なマンションの場合:25~30万円程度/平米(㎡)
- ハイグレードマンションの場合:30~35万円程度/平米(㎡)
スケルトンリノベーションの広さ・間取り別の費用相場は以下のとおりです。
専有面積(㎡) | リノベーション後の想定間取り | 費用相場 |
---|---|---|
50 | 1LDK〜2LDK | 1,250万~1,500万 |
60 | 1LDK〜2LDK | 1,500万~1,800万 |
70 | 1LDK〜3LDK | 1,750万~2,100万 |
80 | 1LDK〜3LDK | 2,000万~2,400万 |
90 | 1LDK〜3LDK | 2,250万~2,400万 |
100 | 1LDK〜4LDK | 2,500万~3,000万 |
110 | 2LDK〜4LDK | 2,750万~3,300万 |
120以上 | 2LDK〜4LDK | 3,000万~ |
スケルトンリノベーションの下限費用目安は1㎡あたり約25万円を想定し、上限はグレードの高い設備などを設置する場合を想定し1㎡あたり約30万円としています。
間取りや、利用する素材などにより価格は変わります。
新築とマンションリノベーション、費用の違いは?
マンションを購入する際に、
そこで、新築マンション購入と、中古マンション購入+リノベーションの費用を比較しました。
その結果、中古マンションを買ってマンションリノベーションするほうが、新築マンションを購入するよりおよそ1391万円安いという試算結果がでました。
なお、こちらの試算は2021年のマンション購入平均価格、およびリノベーションの平均費用をもとに算出しています。実際のマンション価格やリノベーション費用は、地域や工事内容により変動しますのでご了承ください。
- 新築マンションを購入する
- 中古マンションを購入してマンションリノベーションする
首都圏の中古マンションと新築マンションの購入・リノベーション価格比較
中古マンション(※1) | 新築マンション(※2) | |
---|---|---|
平均価格(万円) | 3,869 | 6,260 |
1平米単価(万円/㎡) | 59.81 | 93.6 |
専有面積 | 64.68 | 66.87(※3) |
リノベーション費用(万円) | 1,000 | 0 |
価格合計(万円) | 4,869 | 6,260 |
リノベ後の1平米単価(万円/㎡) | 75.28 | – |
総額の差額(万円) | -1,391 | – |
1:公益社団法人東日本不動産流通機構・中古マンションの基本指標 成約物件 2021年[首都圏]データ、築年数平均は22.67年
2:公益社団法人不動産流通推進センター・不動産業統計集 (9月期改訂)2不動産開発・マンションの地域別平均分譲価格の推移 2021年[首都圏]データ
3:(専有面積は平均価格/1平米単価から算出)
田の字型マンションリノベーションの見積りと費用が変わる4つのポイント
田の字型マンションリノベーションは、同じ広さや間取りでも、工事内容によって費用が大きく変動します。そこで、マンションリノベーションの費用が変わるポイントをまとめました。1. リノベーションの施工面積

2. 間取りの大幅変更やインテリアデザインへのこだわり

3. 住宅設備機器の仕様

4. エレベータの有無や資材搬入ルートに制限がある

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