多彩なマテリアルとアートの調和が穏やかな空間を演出
国内外で仕事をするお施主様が、安心してくつろげる住まいとして購入されたマンションの一室。多忙な仕事の合間に、ストレスなく快適に過ごすことができ、さらに自分の趣味のひとときを充実させてくれるようなインテリアを求められました。大きな窓からの眺望やアートを楽しむ空間、バーカウンターに加え、建具や収納の収まり、各所のマテリアルに至るまで、お施主様が大切にしているライフスタイルが表現された空間となっています。
お客様のご要望・リフォームポイント
- 素材にこだわったダイニング&オープンキッチン
- 自然光を取り込んだリビング&ダイニング
- 存在感のあるキッチンカウンター
- こだわりのプライベートエリア
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ダイニング/キッチン
壁面の仕上げから天板まで素材にこだわったダイニング&オープンキッチン
最初に迎えてくれるのはダイナミックでありながら温かみを感じさせるアートウォール。この内照式のアートウォールは、特注の和紙を用いたもので、独特な表情が絵画のような存在感を演出します。また、ダイニングやリビングとの動線が緩やかに間仕切りされ、空間にリズムが生まれました。
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リビング/ダイニング
部屋の各エリアが緩やかにつながり、自然光を取り込んだ心安らぐ空間が広がる
玄関からダイニング、キッチン、リビングまでが大きな1つの空間のようにつながることで、窓からの採光と共に、明るく開放的な空間が広がります。よりシームレスな空間を目指して、大判のタイルを使用しながら、バリアフリーでフラットなつくりとし、シンプルな柄の石調タイルを採用することで、統一感と横方向の連続性をより感じさせる仕上げになっています。
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リビング/ダイニング
部屋からの眺望を最大限に楽しむことができる家具のレイアウト
広々としたリビングでは、窓辺からの眺望と共にゆったりと過ごせる大きなソファを配置。ソファは背もたれを移動できるつくりで、気分に応じ窓側と室内側のそれぞれに向けて座る方向を変えることができます。
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リビング/収納
住み手の趣味の場をカタチにし、心安らぐシーンを創出
リビングの各所には、絵画やオブジェのようなテーブルが置かれるほか、お施主様のこだわりのお酒を楽しめるバーカウンターやディスプレイケース、夜景を肴にグラスを傾けるラウンジチェアを設けるなど、住み手の個性が表れた空間となっています。
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ダイニング/キッチン
存在感のあるキッチンカウンターを引き立てるシンプルかつ美しい仕上げ
ダイニングも兼ねたキッチンカウンターの天板には、幅が3m以上ある、まるでアートのような御影石(花崗岩)を採用しました。重厚かつ個性的でありながら天然石の温かみのある表情が、料理や食事の時間を豊かにしてくれます。キッチンの収納を始め、扉などの建具は、取手やドアノブを極力見えないつくりにすることで、空間全体の印象をシンプルかつ統一感のあるものにまとめています。
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キッチン/寝室
落ち着く色合いと、見て触れて感じる表情豊かな左官仕上げ
リビングやダイニングの存在感のある素材と共に、空間全体でこだわったのが色づかいです。石調の床と調和するグレージュを基調としながら、特殊塗装(左官)や突き板によって、スタイリッシュな中に柔らかさを感じさせます。特に左官仕上げの壁は、近づいてみると絶妙な色合いの違いがあり、インテリアの石や和紙といった他の素材の風合いともマッチしています。
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寝室
機能性を重視しながら随所にこだわりを表現したプライベートエリア
リビングやダイニングでは、ラグジュアリーなアイテムや素材づかいが随所に見られる一方、ベッドルームでは、快適性や使い勝手を重視したデザインがポイントになっています。例えば、ヘッドボードには吸音性のあるファブリック素材を用いながら、スリットによるさりげない意匠を取り込んでいます。
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寝室/洗面室/浴室
機能的な中にさりげない意匠が空間体験の質を高める
洗面カウンターでは機能性のある大きな収納をつくりつつ、引き手に真鍮の金具を用い、リブ形状の扉面材を用いるなど、意匠性にもこだわっています。
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収納/洗面室/トイレ
毎日使う場所こそ、利便性とデザイン性を重視
ウォークインクローゼットにはドレッサーを設け、ゆっくりと支度ができる場所へと生まれ変わりました。この他、トイレではお施主様の要望で小便器を設置し、ゆとりのあるスペースを取るなど、家で過ごす時間を快適なものにするためのゾーニング、動線計画が試みられています。
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浴室
心と体それぞれの快適性を生み出すための空間づくり
バスルームは使いやすさを重視して、既存のものから、一回りコンパクトなものへと変更。この変更によって、隣に位置するウォークインクローゼットを広く取ることができています。これら機能的なレイアウト変更と共に、家具を始めとする手に触れるもの、各仕上げの色づかいなど細部にまでこだわり、それらを調和させるデザインを徹底することで、お施主様が心からくつろげる空間づくりを目指しました。
間取り図
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インテリアデザイナー小野 京子
海外にお住まいで多忙なお施主様のため、限られた時間の中でのご提案がより確度の高いものとなるよう心がけました。サイズや色味については、細かいご希望がありながらもゾーニングのベースはシンプルなものでした。大きな開口からの眺めを大切にしながら、ご所有のアートやお酒などのコレクションを設える空間としています。一目で気に入られた天然石の一枚天板をはじめ、試作を繰り返す中で決まった特注和紙など、様々な素材のバランスを見ながら、お施主様の理想のシンプルでラグジュアリーな空間づくりのお手伝いをさせていただきました。季節や時間によって変化する都心の景色を、この空間で楽しんでいただけたらと思います。
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リフォームプランナー佐藤 康代
お施主様の要望を受けて、デザイナーからのご提案などやり取りをする中で、一番重要だったポイントが、素材と色、そしてそれぞれの家具のスケール感でした。特に風水の視点や素材の使い方を大切にされているお施主様であったため、デザイナーの提案内容を受けて、素材のシームレスな収まりや寸法、設備的な調整を行い、ご満足いただける空間づくりを目指しました。建具・壁面パネル、石材を始め、本物の素材へのこだわりを取り入れながら、取手などを少なくした美しい収まりの収納や、統一感のある色使いによって、洗練されたセンスをお持ちのお施主様らしさが表現されたインテリアになったのではないかと思います。
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営業担当志村 誠明
今回の計画では、お施主様のお仕事の都合もあり、オンラインでのミーティングの機会を多くいただき進めていきました。細かな要望を汲み取りながら、設計チームでプランをまとめていきつつ、仕上げに用いる建材は、お施主様と共に実際に触れて確かめていただきました。お施主様の要望を受け取るところから、設計、施工に至るまで当社で一貫して手掛けることで、繊細な色のこだわりや素材づかいといった絶妙な部分を、綿密にやり取りし、それを迅速かつ具体的にプランへ落とし込んでいくことができたのではないでしょうか。
2024.06.20公開