遊び心と機能性のあるキッチンから広がる豊かな生活
東京都千代田区の築19年マンションリノベーション実例です。
夫婦二人で暮らすお施主様が、老後のことを見据えて約20年住んだ場所をより使いやすくするために計画したリノベーションです。キッチンを中心に、日々の生活動線を効率良くまとめながら、1LDKながらもゆとりと開放感のある空間になっています。対面式のアイランドキッチンには仕事や作業もできるカウンターを設置した他、壁面収納を各所に設けることで、雑多な印象になりがちなリビングダイニングをスッキリと見せています。また、キッチンの青や黄色の仕上げや遊び心のある壁紙を取り入れることで、空間にアクセントやリズムを生み、お施主様らしいオリジナリティのあるインテリアが広がっています。
お客様のご要望・リフォームポイント
- カフェのようなカウンターのあるオープンキッチン
- ゆとりのある動線と機能性を考慮した間取り変更
- 既存の梁や柱を空間に調和させる仕上げや造作
- 空間に奥行きや開放感を生むカラーリング
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リビング/ダイニング/キッチン
暮らしの起点となり、個性的なインテリアを演出するアイランドキッチン
既存の壁を取り払い、カフェのようなカウンターを設けたオープンキッチンが、開放的な雰囲気を生み出しているリビングダイニング。フローリングや壁面には落ち着いたトーンの仕上げを用いつつ、青と黄色のカウンターがアクセントとなり、日々の生活が楽しくなるようなインテリアを演出しています。また、窓にはバーチカルブラインドを採用し、空間全体に明るさを採り込んでいます。
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リビング/ダイニング
空間を緩やかに区切り、印象を変化させる可動式の間仕切り
リビングダイニングに隣接するベッドルームの間仕切りはスライド式で、オープンにすると空間にさらに奥行きを感じられるよう計画。以前よりも開口部を広くしたことで、風の通りが良くなり、寝室の空気の入れ替えがしやすくなっています。壁掛けテレビの下部には、AV機器用の壁付けの棚を設け、自動掃除機が清掃しやすいよう足元を浮かせたつくりとしました。
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キッチン
居心地の良さを生むゆとりのある動線と個性的なデザイン
キッチンの青や黄色を引き立てるように、収納扉はグレーや白のシンプルな色合いで統一。キッチンは両側にダイニングへの動線を確保したことで、食事や家事がしやすくなると同時に、空間におけるアイランドキッチンの存在感を引き立てています。
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収納/洗面室
生活の中の機能を使い勝手が良くなるよう効率的に配置
キッチンから洗面室、バスルームにかけての水回りは、既存の配置を変えて一箇所にまとめることで、くつろぎの場所であるリビングダイニングと緩やかに空間を分けています。また、大きな梁の下に壁面収納を設けた他、洗濯用の物干し棒は天井収納型にするなど、空間を効率的に活用しています。
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収納/トイレ
生活空間の様々な場所に設けた遊び心のある仕上げ
キッチンまわりの他にも、お施主様が選んだ個性的な壁紙が空間のアクセントになっています。壁面に様々な色や柄を用いることで、インテリアデザインとしてのリズムが生まれます。
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寝室
ベッドルームでは、壁面に寒色系の深い色合いを用いて、空間に奥行きを生み、上部の梁の存在感を感じさせないよう演出しています。
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浴室
バスルームや水回りの配置を変える際には、配管などのマンションの設備を考慮した計画が必要になります。今回は、それらの設備の位置を念頭に、他の空間にゆとりを生み出せるよう間取りを変えながら、バスルームも快適になるようプランにこだわりました。
間取り図
お施主様
長く住んでいるので、家の中を整理する意味も含めて、以前からリノベーションをしたいと考えていました。夫婦二人が年齢を重ねていく中で、住まいを改装したり、引っ越したりする労力やコストのことを考えると、仕事をしているうちに踏み出したほうが良いと思い、リノベーションすることを決めました。当初はキッチンや収納など、部分的に変えるイメージでしたが、大胆に間取りを変えたプランを提案してもらい、とても魅力的で感動して全面リノベーションを依頼することにしました。キッチンや収納を始め、とても使いやすくなっていて満足しています。また、キッチンの青色は自分たちで選んでみたものの、どうなるか不安でいたのですが、周りの色とも良い雰囲気に調和していて、お気に入りの場所になっています。
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リフォームプランナー古森 美佐枝
お施主様からヒアリングするなかで、部分的でなく空間全体の動線から見直すことが、快適な住まいづくりに必要と考え、間取りの変更を含めた提案をさせていただきました。そのため、工事の見積金額は想定されていたよりも上がっていましたが、プランを気に入っていただきご依頼をいただけたので、その期待に応えられるよう細かい部分までこだわって計画を進めました。デザインをする上でポイントだったのは、既存の梁や柱です。特にキッチン側の梁は、移動や家事をする時にも圧迫感のあるものであったため、その存在を壁や収納と溶け込ませつつ、周辺にあった洗濯機置場やバスルームなどを移動させて機能的にまとめています。また、間取りに加え、青や黄色のアクセントカラーの他、キッチン天井を黒で仕上げるなど、色の使い分けによって視覚的に空間の広がりを演出し、デザインと機能が上手く融合した素敵な住まいになったと思います。
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企画担当霜山 瑞輝
ご提案の中で、住まい全体のリノベーションへと計画が変わっていったため、工事の期間といったスケジュールのご相談や、引越し会社のご紹介など、お施主様の負担ができるだけ少なくなるよう、デザイン以外の面でも綿密に進行をしていきました。プランナーの提案力や、施工を始めとする様々な対応力を信頼していただけたことで、細やかかつ踏み込んだコミュニケーションができ、お施主様自身も気づいていなかったような住まいへの要望を引き出すことができ、インテリアを考える楽しさにも出会っていただけたのではないかと思います。
2024.10.17公開