築46年住宅、次世代に継承された想いと暮らし。
大阪市の鉄筋コンクリート造戸建てリノベーション実例です。ご両親が46年前に建てたRC造の戸建て住宅。しばらく空き家になっていましたが、先代が大切に住まれていた家を住み継ぐべく、リノベーションの計画を始められたお施主様ご夫妻。もともと細かく間仕切られていた2階フロアーに、ご夫婦2人が快適に住まえる様プランニングしました。生活時間が異なるご夫妻の寝室は別としながらも、寛ぎの空間であるLDKとの繋がりや家事動線には十分配慮して計画しました。インテリアはモダンながらも柔らかい印象を与える様にコーディネートしました。
見た目だけではなく断熱改修も併せて行い、現行の基準に準じた住宅性能向上にも努めました。ご両親の想いが詰まった家は、現代のスタイルで再び新しい時を重ね始めました。
お客様のご要望・リフォームポイント
- 理想の外観を実現したリノベーション
- 自然光を取り入れる空間づくり
- 機能的で広々としたキッチン
- 奥様のスケッチを活かしたオリジナルのアイアン
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リビングダイニングを可能な限り広くとるため、コンパクトに配置した、シンプルなデザインのアイランド型キッチンです。
天井高が3mある開放的なスペースをリビングダイニングとしました。隣接するお部屋は奥様の寝室です。 -
リビングの大きな壁面は、外観とリンクさせた「コンクリート打ち放し」のデザインで、イメージの統一を図りました。
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廊下側のリビングの一画には、壁面にニッチの飾り棚をつくり、ご両親の写真を飾るスペースにしています。2脚あるパーソナル・ソファは思い出の家具で、上部のトップライトから自然光が降り注ぎます。
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ダイニングスペースは特に天井が高く、広々とした空間です。照明はダウンライトと間接照明のみにすることで、すっきりとした印象を持たせました。
リビングの飾り棚には、幼少期の息子様がつくった模型や玩具を、思い出と一緒に並べています。 -
奥様の寝室には、元々ダイニングにあった大きなペンダント照明を使用しました。和紙の素材を使用した球体の照明で、華やかな存在感を示しています。
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玄関の正面がご主人様の寝室です。ホールの右側は壁一面に収納を造り付け、できるだけ収納量を確保しています。
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インテリアマテリアルはグレージュを基調色として、明るい印象を持たせています。
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特徴的な部屋の形状は、過去に和室や押入れだったスペースをひとつにまとめたなごりです。ひとつの空間となることで、使用用途が広がりました。左側にはご主人様専用の大きなWICを設けました。
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洗面脱衣室の壁面には、調湿性と素材感のあるエコカラットを採用しました。大きなカウンターだけの洗面化粧台で、椅子に座ってお洗濯ものを畳んだりできるように。
トイレ内の壁面もコンクリート打ち放しのデザインで、インテリアの統一感を持たせています。 -
木目とアイアン飾りのコンビネーションで装飾された玄関扉。階段には今後を考えて手摺を新設しました。アイアン製の門扉と階段手すりは、奥様が描いたスケッチを元にオリジナルでつくりました。繊細な植物の蔓のをモチーフにしています。
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現代風なコンクリートの打ち放しの質感に復元した建物外観。玄関扉と車庫のシャッターを木質にして、無機質な外観に温かみを添えました。
間取り図




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リフォームプランナー村井 久美子
最初に頂いた一番のご要望は「この家を恰好よくしてやってください」でした。打ち合わせでは、ご両親への想いが強く伝わり、住まいの良いところを活かしながら、プランを考えていきました。印象に残っているのは、一緒には住まわれていない息子様の居場所を考えておられたことです。ご両親が建てた家を、自分達の代から息子様へと、これからも繋がれるのだなと思いました。無事にお引渡しとなり、大変嬉しく思っています。
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営業担当大沼 仁
今回の計画は、奥様の愛情と情熱によって、成立した計画だと感じています。「長年抱えてきた夢が叶った」と、おっしゃってくださり、「住めば住むほど良い家。親孝行ができました」というご感想をいただきました。ご両親への感謝の想いと、息子様への愛情。そのお気持ちを形にするお手伝いができたことを、大変嬉しく思っています。
2024.03.07公開