建築の魅力を引き出し現代的な住まいへと昇華させる
東京都内の築53年戸建リノベーション実例です。
築53年のコンクリートと木造混合の、地上2階、地下1階の建物のフルリノベーション計画です。将来的にはお施主様のご家族が住むことを想定しながら、賃貸物件としても魅力のある住まいにしたいという思いを受けてプランをご提案しました。既存の建築の魅力をより感じられるようなインテリアと、快適な暮らしを実現するための駆体や設備面など、多角的な視点で空間提案を行っています。木造の高い天井を持つLDK、機能的で大きな収納、部屋全体に明るさを届けるための窓まわりの工夫といった大胆かつ細やかなリノベーションにより、歴史を経た建物とは思えないモダンなデザインと、温かみを感じる木の仕上げが相まった唯一無二の住まいが広がっています。
お客様のご要望・リフォームポイント
- 壁を取り払い開放的な一つの空間となったLDK
- シンプルな色づかいと木が好対照のインテリア
- 明るさを部屋全体に採り込む開口部
- 建築の魅力を活かしたフルスケルトンリノベーション
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リビング/ダイニング/キッチン
高さのある木天井の表情と開放感が居心地の良さを生むLDK
2階では、既存の壁を取り払い大きな一つのLDKへとリノベーション。壁をなくしたことにより、窓から光がそそぎ空間全体が明るくなりました。また、高さ最大4mの木造の天井を見せることで、開放感を感じさせながらも木の温かみのある表情に包まれるような特別な場が広がっています。
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リビング/ダイニング/キッチン
コンクリート造の重厚感と木造の柔らかい雰囲気が融合した個性的な空間
LDKの中央に位置する構造柱は、柱の周りに意匠として木製パネルを円弧状に取り付けることで、柔らかな存在感を持たせています。シンプルな白い壁面やグレートーンのキッチンと、天井や柱の木の仕上げが好対照のモダンな雰囲気を生み出しています。
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玄関&ホール
住まいのアクセントとなる機能的でありながらデザイン性のあるディテール
リビングの他に、各階をつなぐ階段では手すりなどに表情のある木の仕上げが施されています。賃貸利用を想定して、居室の多くが白を基調としたシンプルなデザインであるのに対して、随所に顔を見せる木が、空間にリズムを生み出しています。
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収納/洋室
空間に溶け込み一体化する機能的収納が住まいのゆとりを生む
既存の建築のRC造部分など、大きな改装が難しい所では、空間の余白やニッチを有効的に活用して収納などにすることで、住まいとしての使い勝手を高めながら、無駄のない洗練されたイメージも表現できます。
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寝室
地下1階の主寝室は半地下のようなつくりで窓が設置されていたため、その開口を活かし、窓まわりの既存の格子などを撤去して、より明るさを採り込めるよう計画。大きな収納を設けて、部屋全体を効率よく使えるようにし、地下でありながら開放感のある場所に生まれ変わっています。
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洗面室/浴室
地下にあった洗面室やバスルームといった水回りは1階へ、1階のLDK機能は2階へ移動するなど、暮らしやすい動線を踏まえて大胆なレイアウト変更を行っています。水回りは、配管なども見直し、最新の設備を取り入れて快適性を高めています。
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外観
今回の計画では、外構部も含めたフルリノベーションが行われました。その中で、玄関のそばに位置する駐車場スペースでは、道路に接している経年劣化した箇所を補修するのにあわせて、より効率的に駐車できるよう見直しています。
間取り図
お施主様
築50年以上の建物で、以前は私の両親が住んでいた家でした。長い間、仕事関連の倉庫として使っていたのですが、駅からも近い立地にあり、広さも十分あるため、賃貸物件として使えるようリノベーションを決意しました。将来的には、家族が住むことも考えていましたが、まずは、30〜40代の良い暮らしを求めているファミリー層が借りたくなるような魅力的な住まいの提案をお願いしました。既存の建物の魅力も活かしながら、現代的な空間に生まれ変わり、室内の明るさの確保、断熱性、駐車場をはじめとする外構など、住まいとしての快適性も高くなっていて、とても満足しています。また、計画時のコミュニケーションにおいても、賃貸物件としたいこちらの意図を汲み取って、細かく丁寧に提案や対応をしていただけて助かりました。
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リフォームプランナー寒川 玲子
計画当初は、建物の築年数が経っていたので、建て替えも視野に入れながらプランを考えていきました。構造などを調べたところ、これから50年は問題のない状態であることがわかり、フルスケルトンでのリノベーションをすることになりました。既存の建築が、コンクリートと木造を組み合わせた個性的なつくりであったため、その雰囲気を活かしながら、若い世代の生活やセンスにマッチするインテリアプランをご提案しています。異なる素材感や色合いの組み合わせは、現代的なデザインを表現するポイントの一つになっています。また、各居室において窓まわりの設えを見直し、空間全体に明るさを採り込んでいます。
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営業担当小川 勇
今回の計画では、築年数のある建物のフルスケルトンでのリノベーションとして、木造部分の耐震補強、吹き付け材やサッシによる断熱性能の向上、配管などの設備の入れ替えなど、目に見えにくい部分でも、これからもさらに長く住んでいくことができる住まいとなるよう注力しました。また、外観や外構部もリノベーションする中で、美しく洗練された住まいとしながらも、住宅街において、近隣の風景にマッチするよう、玄関まわりのつくりや、道路と接する部分の補修、あえてセットバックするような計画の提案などを行い、それら細かなご提案をお施主様が受け入れていただいたことで、賃貸物件としてもとても価値のある住まいが出来上がったと感じます。
2024.12.12公開