リフォームプランナー®インタビュー
サポーター役として
お客様の暮らしのお手伝いを
一級建築士 関谷友美

お客様が気づいていないことをどれだけ引き出すか
リフォームプランを考えるにあたっては、お客様が気づかないことを、プロとしてどれだけ引き出せるかが大切だと思っています。何気なく暮らしているなかでは、お客様自身が気づいていないこともたくさんあります。たとえばお打ち合せのときに、ふと「ここは扉で閉めておきたい」とおっしゃったとします。そこで、「わかりました、じゃあ扉をつくって閉めましょうね」で終わりではなく、その理由は何だろうと考える。さらに深くお話を聞いてみると、お客様自身も気づいていなかった別の問題点が見えてくることもあります。そうしたやり取りを重ねることで、本当にご満足いただける住まいができるのだと思っています。
2階に上がれなかった奥様のリフォーム
一人暮らしの奥様のお宅をリフォームしたときのことです。
その方は、2階建の家の1階部分だけで生活されていました。というのも、数年前に2階の寝室でご主人が倒れてそのまま亡くなられて以来、寝室はもちろん、2階に上がることもできないほどショックを受けられていたんです。そんな状況を何とかしたいと、独立されているお嬢様たちが立ち上がって全面リフォームとなったのですが、当初はどんなプランをお出ししても、「どうせ2階は使わないから」と頑ななご様子でした。
それでも何度か間取りをかえたプランを出し、少しずつお話を重ねていくうちに、ようやく心をほどいていただいて、ご自分から2階のプランのアイデアを話してくれるようになりました。最終的には寝室も2階につくり、今は自由にお使いいただいています。こんなときは、なにか少しでも自分なりにお手伝いできたなという感じがして、とてもやりがいを感じますね。また、こうしたお客様とのやり取りを通して、私自身もパワーをもらっているなと思います。
リフォームプランナーはサポート役

リフォームプランナーの仕事は、サポーターのようなものだと思っています。ご家族の生活があってこその住まいですから、こちらから押し付けるものではなく、まずはしっかりご要望と機能を満たすこと。そこにプラスアルファで、デザインセンスや驚きをプラスできればいいなと思います。リフォームはお客様のご要望も細かいものですし、技術面でも細やかな配慮が必要です。最近は情報量も多くなり、ニーズも多岐にわたっています。そうした状況でお客様にお応えし、サポートするためには、豊富な知識や経験がもっともっと必要で、日々勉強して吸収していかなければならないなと感じています。