2011年グッドデザイン賞 ダブル受賞 中古マンション購入×全面リフォーム
グッドデザイン賞 住宅部門受賞
立地とプランにこだわる理想の住まいづくり
中古マンション購入
× 全面リフォーム
社会的背景
住宅ストック数が総世帯数を上回る現在、既存住宅の流通活性化と価値向上は、今後の日本の住宅政策の根幹であり、不動産流通業界とリフォーム業界の連携が求められている。
リフォームにより既存住宅のデメリットを解消し、その利用価値、市場価値を向上することは、結果として新築に比べ相対的に価格の安い既存住宅の流通を促進し、住宅産業の規模拡大につながる。
麻布I邸プロジェクト概要
施主の住まい選びの基準は、①東京都心 ②予算的に購入可能 ③広いリビング ④子供たちの個室の確保、の4点。
新築では条件に合うものがなく、予算と間取りに納得のいく「中古マンション購入×全面リフォーム」を選択した。
購入したマンションは、縦長で暗く梁の目立つ使いにくい間取りであったため、梁を利用して全体を縦に2分割し、縦長のリビングとプライベートな空間に完全分離した全面リフォームプランを提案。
廊下スペースをリビングに取り込むことで主寝室と2つの子供部屋が確保でき、適度なプライバシーと家族間コミュニケーションを両立できる快適な住まいが実現した。
麻布I邸のリフォーム

- 所在地
- 港区麻布
- 家族構成
- 夫妻+子ども2人
- 建物形態
- RC集合住宅
- 専有面積
- 80㎡
- リフォーム費用
- 1,220万円
- 工事期間
- 45日


Before
ご要望
- 利便性の良い都心で暮らしたい。
- 狭くてもいいので、2人の子供(高一長女・中3長男)の部屋を確保したい。
- LDは充分な広さが欲しい。
- インテリアイメージはシンプルモダン。
- 将来はワインサロンを開きたい。



After
設計のポイント
-
採光の確保・梁の工夫
採光が悪く、圧迫感のある大きな梁。この2点は築年数の古いマンションには多く見られる欠点だが、I邸では間取りの改変により奥まで光を届ける明るい住まいを実現。梁には間接照明を仕込み圧迫感の解消と暗さの克服を両立させた。
-
パブリックとプライベートに2分割
間口5m×15mと細長い躯体を縦方向に2分割。一方をパブリックスペース、一方をプライベートスペースと、空間の性質を分け、廊下スペースをゼロにすることで広さを確保。
-
リビングアクセス
子供たちは親の目の届くリビングを必ず通過しなければならない設計。主寝室以外の全てに上吊りレールの真っ白な引き戸を設け、ほどよい独立感を持たせながら、閉じることで生活感と隔離できるリビングを実現。熱帯魚の水槽が空間を仕切るアクセントの役目を果たしている。
エコ&サスティナブルな住まいと暮らしの提案
設計者
Reform Planner
一級建築士 今井智子
空家率が13%を超える現在、新築住宅よりも既存住宅ストックを活用して住むということ自体がエコな住まい方であり、間取りに可変性を持たせ、将来的にも長く住み続けられる提案を行うという点で、サステイナブルな住まい方へとつながる。
麻布I邸の将来を見据えたプラン
子供たちの独立後、
夫婦二人暮らしを充実したものとするために
現在の玄関収納裏スペースと主寝室を合わせてワインエキスパートの資格を有する夫人のオフィス兼サロンを開設。
現在の子供室は2つをつないで明るく開放的な主寝室に。
将来を見据えたプラン
After
Future
施主様の声
施主 I様
はじめてプランを見たとき、「リフォームでここまでできるんだ!」と驚きました。家族4人そろうと、それぞれの気配を感じながらも、あまり気にはならないという温かく安らかな時間が訪れます。 これはきっと細長いLDのメリット。とても満足しています。