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家のフルリフォームと建て替え、迷ったときの基礎知識

2020.04.10時点の情報です

#戸建て #基礎知識

築年数が経った家に住んでいる方の中には、愛着ある今の自宅をフルリフォームして暮らすか、もしくは建て替えるかという点で悩んでいる方もいるのではないしょうか。
フルリフォーム(フルリノベーション)と建て替えには、それぞれメリットとデメリットがあり、コストを含めて多角的に検討した上で選択することが大切です。
ここでは、フルリフォームと建て替えの違いのほか、どちらか迷ったときのポイントについて解説します。

フルリフォーム(フルリノベーション)と建て替えの違い

フルリフォーム(フルリノベーション)と建て替えを比べる前に、それぞれでどのような工事が行われるのか、基本的な違いを確認しておきましょう。

フルリフォームとは?

フルリフォームには、床、壁、天井をすべて取り払い、躯体をむき出しにしてから再び床、壁、天井を作り直す「スケルトンリフォーム」や、間取りを変えずに、水回り設備の交換、全室の壁紙や床の張り替えといった目に見える部分すべてをきれいにする「表層替え」「表層リフォーム」が含まれます。

ちなみに、フルリフォームとフルリノベーションはほぼ同じ意味で使われており、工事の内容に大きな違いはありません。ただし、会社によって定義が異なる場合もあるため、工事の範囲をしっかり確認してから契約するようにしましょう。

建て替えとは?

現在、立っている建物を、基礎からすべて解体・撤去し、土地を更地の状態にして一から建物を建てることを建て替えといいます。老朽化や、災害による損傷などで傷みが激しく、修復するには時間や費用がかかりすぎると判断された建物などが建て替えの対象になります。

ただし、建築基準法で定められた条件を満たしていない建物は、「再建築不可物件」といって、建て替えをすることができません。代表的なのは、道幅が4m以上の道路に、建物のある敷地が2m以上接していない場合です。こうした敷地にある建物を蘇らせるには、フルリフォームが最善の選択肢となります。

また、道幅が4mに満たない道路に接している敷地で新たな建物を建てる場合には、「セットバック」といって4mの道幅を確保できるところまで、敷地を後退させなければなりません。そのため、こうした敷地で建て替えをする場合は、既存の建物より小さくなる可能性があります。
建て替えを検討している建物が再建築不可物件と呼ばれる物件でないか、セットバックする必要がないかという点は、事前に確認しておく必要があるでしょう。

フルリフォーム(フルリノベーション)のメリット・デメリット

フルリフォーム(フルリノベーション)か、建て替えかで迷ったら、それぞれのメリットとデメリットを知る必要があります。
まずはフルリフォームのメリット・デメリットをご紹介します。

フルリフォームのメリット

既存の住宅の良いところを活かすことができる

フルリフォームの場合、建物の全体を取り壊すわけではないので、例えば家族の思い出が刻まれた住宅の一部や、歴史ある梁や柱など、残したいところを残しつつ、全体を新築のような見た目に刷新することができます。機能や見た目は新しくしたいけど、愛着のある建物を壊すのはつらいという場合には、フルリフォームがおすすめです。

建て替えに比べて工期が短く、仮住まいの必要がない場合も

すべてを一から建て直す建て替えに比べて、フルリフォームは工期が短いのがメリットです。また、リフォームの範囲によっても異なりますが、住みながら行える工事であれば、一時的に仮住まいに移る必要もありません。

コストが安い

新築や建て替えに比べると、フルリフォームのほうがコストを抑えることができます。予算ありきでリフォームの範囲や使う資材を決定したり、今回はお風呂場、次回はキッチンというように、数年がかりでリフォーム計画を組んだりするのもおすすめです。
建物の構造によっては、フルリフォームによる大幅な間取りの変更を低コストで行うこともできます。
三井のリフォームでフルリフォームを行う場合、戸建ての場合は築25年超で1,000万~1,500万円、マンションの場合は1,000万円がボリュームゾーンとなっています。

税金が軽減できる

省エネ、耐震、バリアフリーのほか、長期優良住宅化(既存住宅の長寿命化など)、同居対応など、一定の要件を満たすリフォームについては、補助金の支給や所得税・固定資産税などの優遇があります。

フルリフォームのデメリット

追加で修繕が必要になったり、理想を追求しすぎたりすると高額になる

フルリフォームでは、計画を進めてみないと見えてこないコストが存在します。例えば、昔ながらのタイル張りのお風呂を、乾きやすい最新の素材の床材に変更するという目的でスタートしたリフォームでも、浴槽をどかしたときに床下の腐敗などが見つかれば修繕せざるをえず、追加費用がかかったりします。
また、計画を立てるうちにあれもこれもと夢が広がって、予算をオーバーしてしまうというケースも少なくありません。

建て替えに比べると制限が多い

建物の構造によっては、スケルトンリフォームを行っても、間取りを変更したり、水回りの場所を変えたりすることができない場合があり、建て替えに比べると自由度は下がります。

建て替えのメリット・デメリット

続いて、建て替えのメリットとデメリットをご紹介します。

建て替えのメリット

新築同様、自由度が高い

間取りや設備、建物の構造などをゼロから計画できる建て替えの自由度は、新築と変わらず非常に高いといえます。
生活動線が悪い、家族の形態が変わって不要な部屋ができて無駄があるといった間取りや設備に関する不満は、建て替えによってほぼすべて解消することができます。

資産価値がアップする

建て替えをすると、築年数が新築表記に変わり、資産価値がアップします。

建て替えのデメリット

愛着のある建物が残らない

住まいには、誰でも少なからず思い出や愛着があるものですが、建て替えの場合はすべてを取り壊して更地にするため、一部を残すなどの対応ができません。

コストが高い

建て替えるためには、それまであった建物を解体する必要があります。鉄骨造、RC造の建物を解体する場合は、基礎が強固であるため、解体費用が割高になるケースが多いです。

仮住まいが必要である

建て替えの場合は、工事中の引越しが必須です。そのため、引越し費用や仮住まいの家賃など、建て替えにかかる費用以外のコストもかかります。

フルリフォーム(フルリノベーション)と建て替えを選ぶ際のポイント

フルリフォーム(フルリノベーション)と建て替えのどちらかを選ぶ場合には、次に挙げる3つのポイントについて考えるようにしましょう。

  1. 予算
    予算に限りがある場合、その予算でできるのがフルリフォームなのか、建て替えなのかという見極めが重要です。
    目安としては、1,000万円を基準にするといいでしょう。建て替えを1,000万円前後で行うことは、解体費用や建築費を考えるとほぼ不可能ですから、必然的にフルリフォームでできることをやる、という選択になります。
  2. 建物の築年数
    築年数は、50年が目安です。50年を超えた建物は、配管まで手を入れなければならないケースが多く、フルリフォームでは対応しきれないことがほとんどです。場合によっては、建て替えよりフルリフォームのほうが高くなることもありますので、建て替えの見積もりと比べて検討しましょう。
  3. 工法
    間取りを変えたい場合は、スケルトンリフォームか建て替えかで検討する必要があります。
    ただし、建物の工法によっては、建て替えしか選択肢がない場合もあります。通称、2×4工法と呼ばれる枠組壁工法や、RC造の壁式構造と呼ばれる工法は、建物を壁で支えているため間取りの変更ができないからです。

フルリフォーム(フルリノベーション)のコストに関する三井のリフォームの考え

最後に、三井のリフォームのフルリフォーム(フルリノベーション)のコストに対する考え方についてご紹介します。三井のリフォームでは、高品質とコストダウンを無理なく両立したリフォームで、後悔のない住まいを造ることを第一に考えています。

家族でデザインを考えているうちにやりたいことが増えたり、配管などの状況やこれまでのメンテナンスを鑑み、やらなければならないことが増えたりするリフォームは、検討段階では費用総額がわかりにくく、見積もりが出てから「思っていたより高い!」と驚くことが少なくありません。お客様のご要望や建物の状態によっても費用感が異なるため、築年数や平米数などで目安となる金額を出すのも難しいのが現実です。

特に、比較的大規模な工事を伴うリフォームを多く手掛けている三井のリフォームに対しては、「三井のリフォームは高い」というイメージを持つ方が多いようです。

しかし、ご説明したとおり、リフォームは千差万別です。お客様のこだわりや求める機能によって費用が大きく異なります。三井のリフォームでは、「かけるべきところはかけ、削るべきところはきちんと削る」ことを心掛け、必要なコストだけをかけたリフォームを行っています。

もし、「良いリフォームが安くできますよ」というリフォーム会社がいたら要注意です。なぜなら、安いことには、必ず理由があるはずだからです。毎日暮らす住まいのことだからこそ、数字だけに惑わされないことをおすすめします。

専門家の意見が必要な場合は、
三井のリフォームにご相談を

フルリフォーム(フルリノベーション)か建て替えか、いずれにせよ大規模な工事となりますので、時間も費用もかかります。それぞれを比較・検討した上で、慎重に選ぶ必要があります。どうしても自分では決めかねるという場合は、ぜひ三井のリフォームにご相談ください。

専門的な観点から、ご相談いただいた方にとってベストな選択肢をご提案いたします。

2020.04.10時点の情報です

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