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築30年戸建てリフォーム(リノベーション)の押さえておきたい基礎知識

2020.11.11時点の情報です

#戸建て #費用 #進め方 #工法構造

築30年の戸建てをリフォーム(リノベーション)する際の基礎知識

住宅の価値は、築年数が経つにつれ下がっていきます。同じ家で長く住み続けていきたい場合、メンテナンスを行うことが重要です。 ここでは、築30年の戸建てにおける、リフォーム(リノベーション)の基礎知識についてご紹介します。

築30年の戸建てのリフォーム(リノベーション)のメリット・デメリット

築30年の戸建てをリフォーム(リノベーション)することのメリット・デメリットについて、具体的に見ていきましょう。

築30年の戸建てをリフォームするメリット

まずは、築30年の戸建てをリフォームすることで得られるメリットをいくつかご紹介します。
  • 住まいの思い出を残すことができる 築30年ともなると、家とともに年月を重ねてきた家族の歴史が至るところに詰まっています。建て替えの場合、思い出もすべてリセットして、建て直す必要がありますが、リフォームなら「この部屋は今のまま残したい」「思い出の柱を別のところで使ってほしい」といったカスタマイズが可能となります。リフォーム前の家の良さを生かして、新しい家へと生まれ変わらせることができるのです。
  • 古い家の風情を残して新しい家を造ることができる リフォームは、100年経った家でも行えます。経年劣化で家の内部はリフォームしなければならないが、風情ある外観は残したいというときなどは、スケルトンリフォームで対応可能です。 スケルトンリフォームは、解体工事で床、壁、天井をすべて取り払い、躯体だけの状態にして、一から造り直すリフォームの方法です。間取りから自由に設計できるので、古い家の良さと新しい家の快適さをうまくミックスさせた家にすることができます。
  • 再建築不可物件もリフォームで新しく 「接道(道路と敷地が接する部分)が幅2m以上であること」「敷地に接する道路の道幅が4m以上あること」という建築基準法で定められた条件を満たしていない「再建築不可物件」は、古くなった住宅を壊して再建築することができません。十分な幅のある道路に接していないと、災害時の救護活動や火事の際の防火活動を行えない可能性があるからです。 しかし、こうした再建築不可物件でも、リフォームをして住むことは可能です。再建築不可物件を安く手に入れて、リフォームで新築同様にして暮らすという選択をする人も少なくありません。

築30年の戸建てをリフォームするデメリット

築30年の戸建てをリフォームすることによるデメリットは次のとおりです。
  • 工事によっては費用がかさむ 築30年の戸建ては、リフォームすべき場所が多かったり、土台や柱・梁など構造に関わる部分にまで傷みが広がったりしていて、当初の予定よりリフォームの費用がかさむ可能性があります。 最初は部分的なリフォームのつもりだったのに、蓋を開けてみたら、白アリによる被害や腐食が発見されて、やむなく大規模な工事に変更した…というケースは多いものです。さらに、キッチンや浴室、トイレ、給湯器、照明などに古い住宅設備が使われていれば、新しい住宅設備に変更することも考えなくてはなりません。 築30年の戸建てをリフォームする際は、大掛かりな工事になるかもしれないという予測のもとで予算を立てるようにしましょう。
  • 中途半端なリフォームはリスクがある 築30年の戸建てをリフォームして住むにあたって、目先の出費を惜しんで中途半端なリフォームで終わらせると、住み始めてすぐに不具合が見つかるなどして再度工事をすることになりかねません。 特に、目に見えない給水管や排水管は、30年間で必ず劣化しているといっていいでしょう。長く住むなら、一度全体的に手を入れておくと安心です。
  • 住宅ローンの審査が厳しくなる 新築物件を購入する場合に比べ、中古物件を購入してリフォームする場合は、住宅ローン審査が厳しくなります。建物の価値は耐用年数で判断されるため、築年数が経っている中古物件はどうしても住宅ローンの担保価値が低くなってしまうからです。さらに、駅から遠く、旗竿地(竿についた旗のように、道路に接する部分が細く、その奥に家の敷地がある形状の土地)など立地が悪いといった理由で土地の評価額が低いと、ローン審査はより厳しくなると考えたほうがいいでしょう。

築30年の戸建てリフォーム(リノベーション)を行う際のポイント

続いて、築30年の戸建てをリフォーム(リノベーション)する際に、気をつけておきたいポイントを解説します。

家に関する家族の意見を聞く

まずは、家に関する家族の意見を聞くことが大切です。 それぞれが、どのような住まいを望んでいるのか、今住んでいる家のどのような部分で不便さを感じているのかといった点について、家族みんなで話し合いましょう。

将来を見据える

リフォームをするということは、この先、何十年と長く暮らそうと考えている場合がほとんどでしょう。 「今欲しい機能」「今時のデザイン」だけを詰め込むのではなく、10年先、20年先を見据えて必要なものを取り入れるリフォームがおすすめです。

優先順位をつける

リフォームには、予算や広さなどの制約があるはずです。計画が進んでから困らないよう、やりたいことに優先順位をつけてきちんと整理しておきましょう。

築30年の戸建てリフォーム(リノベーション)でよく行われる内容

築30年の戸建てでは、どのような内容のリフォーム(リノベーション)が行われるのでしょうか。よく行われる内容をいくつかご紹介します。

スケルトンリフォーム

スケルトンリフォームとは、建物の床、壁、天井をすべて取り払って躯体だけの状態にしてから、新たに床、壁、天井を造り直し、水回り設備の交換、壁紙全室の張り替え、床全室の張り替えなどを行うリフォームです。スケルトンリフォームのメリットは、大きく3つあります。
  • 自由に間取りから設計でき、思いどおりの空間が実現できる
  • 既存の寸法に関係なく、設備機器のサイズが選べる
  • 古くなった給水・給湯配管や電気配線も一新できる
スケルトンリフォームなら、築30年の戸建てに住んでいて感じるさまざまな不具合を、一気に解決できます。

省エネ性強化

限りあるエネルギー資源がなくなるのを防ぐため、エネルギーを効率的に運用する省エネルギー(省エネ)。住宅の省エネについては、1980年に省エネ基準ができて以降、1992年、1999年、2013年というタイミングで、改正・強化が進められています。 省エネ性の強化は、効率的な冷暖房による光熱費の削減や、部屋ごとの温度差をなくすことによるヒートショックの予防効果といったメリットがあります。 一定の要件を満たしたリフォームであれば、税金の優遇制度もありますので、積極的に検討することをおすすめします。

バリアフリー化

いざというときに備えた、バリアフリーリフォームをしておくことも大切です。段差の緩和や解消、手すりの取りつけといったバリアフリー化を、リフォーム(リノベーション)の際にしっかり行っておくと、日々の暮らしの安全と安心を守ることができます。

築30年の戸建てのリフォーム(リノベーション)の事例

ここからは、三井のリフォームが携わった、築30年の戸建てのリフォーム(リノベーション)の事例をご紹介します。

CASE1

築50年の戸建てが最新の住まいに進化

築年数
35年
リフォーム面積
118.0平方メートル
リフォームにかかった費用
非公開

三井のリフォームの新宿コンサルティングサロンにある、フルオーダー リフォーム モデルルームは、三井のリフォームの設計力・デザイン力を実感いただけるモデルルームです。築35年の木造在来2階建ての建物の、1階部分のリフォームを想定しています。

After

間取り図

<リフォームの内容>

このモデルルームは、シニアご夫妻のセカンドライフを視野に入れた住まいへとリフォームするイメージで設計しています。 階段の上り下りの負担を減らすために、1階だけでも生活が完結できるようにし、各部屋にスムーズに移動できるよう回遊動線を設計。寝室は、お互いの気配を感じながら、程良い距離感を保つために、造作家具で仕切っています。また、木や石など天然素材による温もりに満ちたインテリアや、自然の力を活かして住まいの心地良さを高めるデザインを盛り込んでいます。

CASE2

新築並みの内観・外観・性能で実家を一新し、完全同居をスタート

築年数
30年
リフォーム面積
118.83平方メートル
リフォームにかかった費用
2,827万円

施主ご家族は、お子様の小学校入学を機に、ご主人のお母様が一人暮らしをしているご実家に同居されることになりました。実家の建て替えも検討したものの、法規の関係で現在より面積を広げることができなかったことから、リフォームに切り替えました。耐震性、断熱性を上げてエコな設備を導入し、新築並みの機能を備えること、完全同居スタイルで内観・外観ともに一新することと、LDK・浴室ともに広くすることなどが、今回のリフォームの目的となっています。

Before

After

間取り図

<リフォームの内容>

三井のリフォームからは、補助金を有効活用した全面リフォームをご提案。耐震面では耐力壁を新設して、耐震補強を行っています。また、見晴らしの良い眺望を活かすべく、2階をリビングに。お母様が階段を使う際の負担を軽減するため、位置を変えて勾配を緩やかにしています。 ご要望のあったシューズクロークのほか、お母様の持ち物を含めて収納できるよう納戸を造り、すっきり暮らせるよう工夫しています。

CASE3

老朽化した狭小・建て替え不可住宅を長期優良住宅へ

築年数
30年
リフォーム面積
80.17平方メートル
リフォームにかかった費用
2,700万円

ご主人が単身赴任を終えて、ようやく自宅に落ち着けるようになったこと、お子様が独立し、夫婦二人暮らしとなったことから、築30年の住宅を老後に備えた安心・快適な住まいにしたいとリフォームを決意されました。 建物の土台が傾き、建具の建てつけも悪くなっていたため、表面的なリフォームだけでなく、耐震性も含めて総合的に改善できそうだと感じていただき、三井のリフォームを選択。主寝室や客間、納戸は2階に集め、1階はゆったりした1LDKにすることを希望されていました。

Before

After

間取り図

<リフォームの内容>

傾斜の補正と耐震性能アップというご希望を叶えるため、長期優良住宅の仕様を提案。既存基礎はRUM-BR工法(補強鉄筋パネルと補強モルタルによる基礎的な補強)で全面的に防湿コンクリートを打っています。併せて、長期優良住宅の基準をクリアできるよう、耐震性も向上させました。 1階は対面式LDKと水回りを集め、撤去できない柱を活用してパソコンコーナーを作成。二人暮らしに程良い広さとなりました。また、将来、1階だけで暮らすことも考え、1階にベッドが置けるだけのスペースも確保しています。

CASE4

今後のライフスタイルの変化を見据えて、 二世帯住宅の一部をリフォーム

築年数
39年
リフォーム面積
36.43平方メートル
リフォームにかかった費用
1,158万円

玄関、浴室・洗面所は共通で、キッチンのみ別の二世帯住宅。これまでも、家族構成やライフスタイルの変化に合わせて増築や改築、改装をしながら暮らしてきたお住まいで、1階をご主人のお母様、2階を施主様ご家族がお使いでした。リフォームの直接のきっかけは、お母様が亡くなられたこと。1階ダイニングキッチンと、老朽化した浴室について、いずれ1階で暮らすことも視野に入れて広く明るく、使いやすくリフォームすることにしました。 リフォームをメインで進められている奥様が、三井のリフォームの女性プランナーの提案を気に入られたことから、当社にご依頼いただいています。

Before

After

<リフォームの内容>

これまでは、キッチンとダイニングが南北方向の造作収納で仕切られており、狭く、採光も十分ではありませんでした。そこで、空間を仕切らず、東西方向にアイランドキッチンとダイニングテーブルを連続して配置。北側にある2つの窓からの光が全体に行き渡るよう、工夫しました。当初はアイランドキッチンにして、シンクやコンロも設ける予定でしたが、シンクは壁向きにしたいというご要望を受けてII型キッチンに。システムキッチンは、デザイン性とコストパフォーマンスに優れたクチーナを選択されています。 浴室や洗面所はバリアフリー化され、長く安心して使えるようになりました。

補助金・減税の活用

リフォーム(リノベーション)を行いたいけど、費用は抑えたい…。そんなときに考えたいのが、補助金や減税といった制度の活用です。 リフォームに関する補助金は、一定の要件を満たすリフォームについて、国や自治体が費用を補助するものです。対象となるのは、省エネ、断熱・耐震、バリアフリーのほか、長期優良住宅化(既存住宅の長寿命化など)、家事負担軽減に関するリフォームです。 また、リフォームの目的によっては、所得税、固定資産税、贈与税といった税金が優遇される場合があります。 リフォーム前に専門家によるインスペクション(住宅診断)を依頼するなどして、条件を詳しく確認した上でリフォームを行うといいでしょう。

三井のリフォームの費用に関する考え

リフォームに際して、気になるのが費用のことです。家族でデザインを考えているうちにやりたいことが増えたり、配管などの状況によってやらなければならないことが増えたりするリフォームは、検討段階では費用総額がわかりにくく、見積もりが出てから「思っていたより高い!」と驚くことも少なくありません。 特に、三井のリフォームでは、比較的大規模な工事を伴うリフォームを多く手掛けていることもあって、「三井のリフォームは高い」というイメージを持つ方が多いようです。しかし、リフォームは千差万別で、お客様のこだわりや求める機能によって費用が大きく異なります。三井のリフォームでは、「かけるべきところはかけ、削るべきところはきちんと削る」ことを心掛け、必要なコストだけのリフォームを行っています。 もし、「良いリフォームが安くできますよ」という業者がいたら要注意。安いことには、必ず理由があるはずだからです。リフォームは、一生のうちで何度とない高額な買い物のひとつ。しかも、毎日暮らす住まいのことです。高品質とコストダウンを無理なく両立したリフォームで、後悔のない住まいを造りましょう。

築30年の戸建てのリフォーム(リノベーション)は三井のリフォームにご相談を

細部まできちんとチェックした上で計画を立てる必要がある、築30年の戸建てのリフォーム(リノベーション)は、大規模なリフォームを多く手掛けてきた三井のリフォームの得意分野です。 これからも長く安心して住めるようにするためにも、リフォームをお考えの際は、ぜひ三井のリフォームにご相談ください。

2020.11.11時点の情報です

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