アートへのこだわりと快適性を形にした職住近接の住宅
クリニックを経営されているお施主様が、自身のクリニックが入るビルの1フロアに、フルスケルトンで住まいを計画したリノベーション事例です。変形の区画に対して、お施主様が望むリビングやダイニングの快適性、絵画やオブジェといったアートを飾るスペースの確保など、限られた面積の中で様々な要素を工夫して落とし込んでいます。フルスケルトンのため、間取りなどはある程度自由に計画できた一方、ビルの構造上、動かすことが難しい配管などの制約をクリアしながら、使いやすく、居心地の良い空間を生み出しています。仕事場と近い距離感にありながら、家に帰れば落ち着いて、心を切り替えられるような、柔らかい色使いや仕上げ、光にもこだわってデザインしました。
お客様のご要望・リフォームポイント
- 多彩なアートが映えるプランニング
- 上質感と居心地の良さを生む素材や色使い
- フルスケルトンが可能にする自由なレイアウト
- 充実した水回りによる快適な暮らし
-
リビング/ダイニング
お気に入りのアートに囲まれて過ごすリビングダイニング
リビングやダイニングを始め、部屋の様々な場所に、絵画や書を始めとするお施主様所有の芸術作品を飾るためのスペースを設けました。壁の仕上げはベーシックなものにし、天井はスポットライトやダウンライト、間接照明などを使い分けることで、アートを際立たせながらも空間に統一感が生まれています。
-
リビング/ダイニング/キッチン
柔らかい光に包み込まれるような居心地の良さを演出
天井に設けたラウンドする間接照明により、お施主様がもともと所有されていた家具やオーディオ機器など、存在感のあるアイテムを配しながらも、それらが空間の中で調和するような柔らかい雰囲気を演出しました。
-
ダイニング/キッチン
仕上げの素材や色使いによるゾーニング
キッチンまわりは、リビングやダイニングの明るい色使いと好対照な落ち着いたダークトーンを用いて、空間にリズムを生み出しつつ、ひとつながりのオープンな空間を素材の使い分けによって緩やかにゾーニングしています。
-
キッチン
暮らしのワンシーンを上質なものにするオープンキッチン
キッチン背面の収納部は、収納力のあるつくりと共に、扉を閉じた時にインテリアの一部として美しい納まりとなるようデザイン。お施主様の家電の寸法を考慮しながら、扉の割り付けや、スリットの見え方など、ディテールにこだわって造作しています。
-
玄関&ホール
限られたスペースを最大限に活用した動線計画
細長く台形の区画であるため、快適な居住スペースと動線を工夫しながら空間全体をプランニング。アートを飾るためのスペースを確保しながら、どの方向を見ても、画になるようなシーンをつくり、住むほどに愛着が生まれる住まいとなりました。
-
寝室
居心地の良さを生むデザイン性と、生活空間を美しく整える機能性の両立
主寝室は間接照明によってリラックスできる雰囲気を演出。大きな収納スペースを設けて、衣類や小物を納めることで、部屋の中が雑多にならないよう工夫しています。
-
書斎/寝室
お施主様のご家族が一人で過ごすための居室では、限られたスペースを有効活用するため、ソファベッドを配しています。また、家具を始め、インテリアのテイストはモダンで落ち着いたトーンでまとめました。
-
洗面室/トイレ
日常的に使う場所の快適性が生活をより豊かにする
お施主様からの要望で、トイレや洗面室といった普段の生活でよく使う場所は、家族が同じタイミングで使いたくなってもストレスがないように設計。ゆったりとした動線に加え、配管を新設してトイレを2箇所設けています。
-
浴室
バスルームは他の居室とは異なるシックな印象の色使いとし、ホテルライクな雰囲気で上質感のあるひとときを感じられるようデザインしました。
-
仕事用ミーティングルーム
プライベートと仕事の気分を空間のデザインテイストで切り替える
キッチンのパントリーから行き来できるようにレイアウトされた、お施主様の仕事用のミーティングルーム。住空間とは打って変わって、入った瞬間仕事モードに切り替わるような、ワークスペース感のある家具や素材を採用しています。
間取り図


お施主様
三井デザインテックさんには、これまでも住宅や自身のクリニックの設計・施工をお願いしていたので、信頼をして今回の計画を依頼しました。既存の建物が築30年以上の古いビルで、フルスケルトン工事であったため、計画は1年半ほどかかりましたが、三井デザインテックさんは、最初の段階から打ち合わせを重ね、入念に準備をして進めていただけることを知っていたので心配はありませんでした。他社と比べてコストが安いわけではありませんが、出来上がる空間のクオリティがコストに見合う上質なものであることが、リピートしてお願いをしている理由の一つです。目で見た雰囲気だけでなく、日々の使いやすさなどを考慮した、細かい部分へのこだわりも詰まっていて、いつも頼んでよかったと思うことができます。また、今回は企画担当の方が入っていただけたことで、特殊な条件に対して様々なアドバイスや調整をしてくださり、プロジェクト全体を通してストレスなく、求める空間が出来上がり満足しています。
-
リフォームプランナー中村 美佳子
フルスケルトンの計画でしたが、テナントの入れ替えが発生するオフィスビルであったため、既存の内装を撤去した際に、元の図面とは異なる部分が出てくるなど、最初の段階での調整に時間が必要でした。築年数の経っている建物のリノベーションではたまにあることで、そこへの対応力も私たちの会社の強みの一つです。限られたスペースと若干変形の区画であるため、お施主様の求めるデザインと、収納や設備、動線といった要素を、いかに上手く空間に落とし込んでいくか注力し、ミリ単位での調整と施工を行っています。お施主様こだわりのアートや家具が際立つような仕上げ、照明計画の他、ご家族がストレスなく利用できる2つのトイレ、水回りの配置など、居心地の良さを実現しながらお施主様らしさが表現された住まいになったと思います。
-
企画担当見上 智治
これまでも当社に設計・施工のご依頼をいただいていたお施主様でした。リノベーション経験が豊富な故に細部にもご要望をいただいていたので、それらをカタチにするためのプランや工事の進め方、コスト等の調整をしっかりと行いました。お施主様は快適な生活のため、水回りの拡張を要望されていました。しかし、テナントビルの1フロアで、下階には別の入居者様もいらっしゃることから、配管などは大きく動かせない制約がありました。そこで、他への影響を抑えながら新たな配管を設置するよう計画しました。こうしたデザイン以前の段階でのご提案が、計画のキーポイントになっています。お施主様の思いをしっかり汲み取りながら、建築的な制限やコストなど、実現の可能性を徹底的に追求しました。また、施工を行う現場担当者にも正確に情報を共有していくことで、高いクオリティの空間づくりが実現しました。
2025.04.10公開