イメージを具現化しお好みの住まいへ
ロンドンに生活の拠点があるご夫妻です。日本での住まいを都心に構えていましたが、もう少し空間のゆとりが欲しいと、リフォームを前提に200㎡以上ある今の住戸を購入しました。リフォームの打ち合わせを始めたのはコロナ禍中の2021年。大半はオンラインの打ち合わせとメールのやり取りで行いました。帰国のタイミングに合わせて素材サンプルの確認や、ショールームでの確認を実施し、リフォームを進めていきました。ポイントは、リビングダイニングをより広く、独立していたキッチンをフルオープンにすること。
以前の住まいにあったお手持ちの家具を使いながら、布地張替により部屋に見合ったカラーコーディネートをし、ご主人様のセレクトされた色彩豊かな絵画が一段と映える住まいになりました。
お客様のご要望・リフォームポイント
- こだわりのフルオープンキッチン
- 和紙とファブリックガラスの華やかなエントランス
- お手持ちの家具を活かしたカラーコーディネート
- 日本文化を取り入れたデザイン
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手前はキッチンのカウンタートップ、右はダイニングスペース、左がリビングスペースです。LDK全体の広さが約80㎡、天井高さが2m70㎝あり、お手持ちの家具がゆったりおける十分な広さがあります。室内に出ている柱型は、ゴールドのモザイクタイルを貼ることで意匠的に活用し、ピクチャーレールをつけることで、お気に入りの絵画を掛ける為のスペースとしました。
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リビング側の大きな壁には、TVを収納するための造作棚をつくりつけて、前面にはスライドする建具を設えました。窓側にはシンプルなロールスクリーン、玄関側にはファブリックガラスの両開き扉で、窓からの光が玄関ホールへ通ります。お手持ちのソファは、リフォームを機に1台追加し、貼地の貼替を行いました。
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TV収納の建具を閉めた写真です。両サイドの壁は和紙を挟んだガラスで、内側の照明をつけると、美しい和紙の模様が浮き上がります。中央の壁面は和紙張りの建具になっており内部は御仏壇と壁掛けテレビのスペースになっています。
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元は閉鎖的だったキッチンをフルオープンとしました。手前はシンクやレンジがある作業カウンター、奥は収納がメインのバックセットとし、開放的な二列スタイルです。作業をしている時も、TVを見たり、戸外の景色が眺められる場所になりました。
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オフィスをイメージしてつくられた約20㎡の書斎は、ご主人様の強いご要望で実現しました。一方の壁には書類用の棚を造作家具工事にてつくり、PCなどの機器類も快適に使えるように、フロアコンセントが備えつけられています。
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書斎は仕事をするだけでなく、ご主人様が好きな絵画が飾られ、ソファでゆっくり休めるようにもなっています。ソファは今回の内装のカラーイメージに合わせ、お手持ちのものを張り替えました。
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奥様の部屋は、出入り口のすぐそばにドレッサーを設置しました。隣の扉は、ウォークインクローゼットへの入り口です。
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和かなピンクとベージュの色でまとめられた、奥様のベッドルーム。ものが少ないシンプルな部屋に、クリスタルの球体を集めたような天井照明がアクセントになっています。この照明器具は、以前のお宅のダイニングで使われていたものを再利用しています。
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奥様の部屋にはウォークインクーローゼットの入り口の他、壁には姿見のついた奥様専用のクローゼットがあります。エレガントなテイストにまとまりました。
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ご主人様の寝室はL型のスペースです。たっぷり衣類が収納できるよう、2か所に造りつけのクローゼットを備えました。
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ご主人様の寝室の一画にはソファスペースを設け、奥様の部屋にある照明とお揃いに。この照明器具は、以前のお宅のダイニングで使われていたものを再利用しています。
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玄関に近いゲスト用のトイレは、壁にブロンズ色の光沢あるモザイクタイルを貼ることで重厚な雰囲気に。床は玄関ホールやリビングと同じ石目調の大判タイルを設えました。
書斎とゲスト用ベッドルームに挟まれた、ランドリールームは洗濯機や乾燥機、作業カウンター、物干し場がひとつながりになっています。 -
L字型のランドリールームは、バルコニーに面して大きな窓があり、明るく使いやすい広さです。
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寝室近くにあるトイレは、壁に幅いっぱいの横長の鏡を貼りました。白を基調にスッキリとまとめた室内です。
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浴室と脱衣室。脱衣室には、衣類を置ける収納カウンターとタオル掛け、収納を備えました。
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浴室は、ブラウンの大判タイルを張った重厚感のあるバスユニットです。
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ご夫妻の寝室が並ぶエリアの廊下に設えた洗面台。手前に奥様のベッドルームが、奥にご主人様のベッドルームがあります。廊下奥の扉の向こうは、浴室・脱衣室です。使いやすい動線となっています。左側は納戸やトイレです。
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リビングとエントランスの間は、ファブリックガラスの連続した両開き扉・FIX・引戸で仕切られています。リビングからの自然光がホールへ届くことで、明るく開放的なエントランスになりました。左壁にはワインクーラーが2機入るように造作したキャビネットがあります。手前に続く壁にはレザーを張り、木や石とはまた違った質感が楽しめます。
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エントランスからリビングがやんわりと見えることで、開放感と奥行き感を演出しています。
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間近で見る仕切りのファブリックガラス。
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玄関に入って正面にある大きな壁には、和紙をガラスで挟んだ大きなパネルを設置。内側に照明を入れて、壁全体が光るようにデザインされています。和紙の肌理が美しく透け、絵画とあいまって、美術館のような特別な空間になっています。
間取り図
お施主様
とても気に入っています。暮らしてみて特に良かったのは、ランドリールームでした。洗濯が終わったらすぐに干せて、乾いたら近くのカウンターでたたんだり、アイロンがけができます。それに、突然お客様が来ても、とりあえずものを置いておけるスペースにもなって、とても便利に使っています。窓の両側にカーテンの溜まりができるのが嫌で、ロールスクリーンをつけてもらいましたが、窓周りがスッキリして気持ちよく過ごしています。海外との半々の生活ですが、いつも日本のこの家に帰ってくるのがとても楽しみになっています。
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リフォームプランナー今井 智子
海外にお住まいでコロナ禍ということもあり、オンラインでの打ち合わせがメインでしたが、ご提案したデザインや素材などのご理解もお早く、とてもスムーズにお話が進みました。
海外からのご来客も多いと考え、日本的なものをテーマにデザインしようと考え、和紙をモチーフにご提案させていただきました。ご主人様からは住宅にない新しいデザインを取り入れてほしいとのご要望があり、それにお応えできるよう心掛けました。奥様とはプラン・インテリアイメージ全般・キッチン・ランドリールームや収納・家具などの簡潔ながらも細部にわたるお打ち合せができて、とても充実したリフォームになったと思います。 -
営業担当野口 真奈
オンラインをフル活用した打ち合わせでした。通常は現場の進捗状況を何度か確認していただきますが、今回はiPhoneの機能で実況中継して、ご報告させていただきました。そうした状況にも臨機応変に対応していただき、とても助かりました。普段とは異なるフローにも、柔軟にご協力いただきました。無駄の少ない進行は、ご夫妻の的確なご理解、ご判断の賜物です。大変ありがたく感じています。
2024.02.01公開