面影と思い出を残した、築54年の戸建てリノベーション
大阪府豊中市の戸建てリノベーション事例です。築50年を超えた戸建ての住まいに、ご高齢のお母様がおひとりで住まわれていましたが、ご子息であるお施主様とご家族が移り住まれることに。家族みんなが快適に過ごせるような実家にしたいと、リノベーションを決意されました。思い入れのあるご実家の姿を残しつつ、耐震性や断熱性など、住まいとして必要な性能を充実させることで、お施主様ご家族が快適に暮らせるよう使い勝手や表装仕上げを変更しました。既存の面影を残し、ご実家の良さを活かしたリノベーションになりました。
お客様のご要望・リフォームポイント
- 耐震性/断熱性の向上
- 面影と思い出を残す
- フルオープンキッチン
- ガラス建具再利用
- 和風旅館のような玄関
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廊下のスペースを取り込むことで、従来の1.5倍の広さになったダイニングキッチン。フルオープンのキッチンは、Iの字型のカウンターを設えました。天井を上げ、トップライトをつけることで、明るさを確保しています。
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「ダンディなキッチン」をご要望でした。柱や梁の色に合う落ち着いた木目調のカップボードを採り入れ、統一感を出しています。
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ダイニングキッチンにつながるリビングスペース。LDKを一体的な大きな空間にするため、最低限の柱や壁を残しそれ以外は撤去としました。残した柱や梁を補強することで構造的な安全性を確保。中央に見える柱も補強のため、太くなりましたが、モザイクタイルを貼ることで室内のアクセントにしています。左側のガラス建具は、元々あった建具を再利用することで、元のご実家の面影を残しています。
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リビングにつながる3畳ほどの畳スペース。箪笥をおいたり、洗濯ものを畳んだりするために使用できます。
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畳コーナーには、凝った木彫りの欄間や神棚もなじみます。
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元は和室の続き間にあった木調の欄間。解体時に廃棄せず、丁寧に取り外すことで、新たなお住まいにも設置することができました。
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リビングと廊下の間に使用した建具は、リノベーション前に使用していたものを再利用としています。枠は塗り直すことで、新しいご自宅にも調和しています。床に溝をつくることでレールを埋め込み、段差ができない床面となりました。高さは175㎝ほどの低いサイズですが、個性的な雰囲気を醸し出しています。
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玄関脇の書斎は、レトロな雰囲気が漂う落ち着いた空間となりました。
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玄関横の応接室は、内装を一新しました。照明や家具は雰囲気に合わせレトロセレクトすることで、懐かしさのある空間となりました。
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主寝室のベッドサイドテーブルには、フランク・ロイド・ライトがデザインしたデスクライトを設置しています。ベッドヘッドの壁には幅の広い美しい木目の突板で、ラグジュアリーな空間になりました。メイン照明を落としデスクライトのみにすることで、リラックスできる雰囲気になります。
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幅120cmとゆったりしたスペースのトイレ。調湿性、消臭機能に優れ、素材感のあるエコカラットを選定しました。
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和風の旅館を思わせるような、ゆったりと幅広い間口の玄関。正面にはニッチを造作することで、来客時のアイキャッチになります。左側の廊下はリビングダイニングへつながっています。新旧の柱は塗装をすることで、色調を揃えています。
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柱が室内に露出する真壁工法の玄関スペースは、日本家屋の特色のひとつです。
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玄関内部の照明は応接間と同じメーカーのもので、新しくもレトロを感じさせるポイントになっています。
間取り図
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リフォームプランナー上嶋 佳子
築年数の経過したご実家を今後どうしていきたいか、お施主様には明確な想いがありました。室内については、新しくも既存のご自宅の雰囲気を残せるようにご提案させていただきました。
また外観についても、今までのイメ-ジを出来るだけ残したいというご要望がありましたので、既存の和瓦は再利用し、耐震性UPの為、瓦下の土をおろし、建物重量を軽くすることで叶えました。そこにお施主様の熱意を感じ、とても印象に残っています。 -
営業担当米谷 菜央
お施主様はお家への思いが強く、慎重に検討されていらっしゃったため、計画を進めるまでに早い段階から少しずつ準備されていらっしゃいました。
ご家族が長い間暮らしてきた住まいの思い出を継承すべく、少しでもご実家の雰囲気を残す家づくりをしたいという、お施主様のお気持ちにとても感動しました。
今回の計画のお手伝いをさせていただき、貴重な経験となりました。
2024.05.23公開