三井デザインテック

リフォームプランナーが教える良い家事動線の考え方

家事動線を見直すだけで、日々の暮らしは驚くほど快適になります。「我が家にぴったりの間取り」が叶えば、家事効率がアップし、家族みんなの笑顔にもつながるでしょう。 そこで、三井のリフォームのリフォームプランナーである関谷友美が、良い家事動線の考え方と、良い家事動線を作るリフォームのポイントをお伝えいたします。三井のリフォームで手掛けた実際のリフォーム事例と合わせてご紹介しましょう。

良い家事動線の条件とは?

――そもそも家事動線とは何でしょうか?

関谷: 家事動線とは、家事をするときの移動経路のことです。効率良く家事をこなせているほど、良い家事動線が描けているといえます。家の間取り図に、ご自身の家事のパターンを書き出してみると、普段の家事動線がわかりますよ。

――良い家事動線は、どんな線になりますか?

関谷: 良い家事動線は、一直線で描けます。また、直線にならなくても、無駄な動きのないシンプルな家事動線が描けていれば、効率良い家事をこなせているといえるでしょう。反対に、同じ所を何往復もしていたり、移動距離が長かったりすると、良い家事動線とはいえず、ストレスや疲労が溜まりやすくなります。

<悪い家事動線と良い家事動線>

――家族と動きがかち合ったりすると、どうしても家事の効率が悪くなってしまいますよね。

関谷: 家族と同居している場合は、それぞれの生活動線も絡んできます。動線の重なる所が多いほど互いの邪魔をすることになり、小さな負担が日々積み重なってしまうため、家族の生活動線の重なりを減らして、スムーズな流れを作る工夫も必要です。

――それほど広くない家でも良い動線は作れるのでしょうか?

関谷: 時間帯をずらしたり、無駄にかち合っている動線を整理したりするだけでも、動線の重複がかなり解消できます。リフォームの相談では、「朝の洗面所が混雑するから、洗面ボウルを2つにしたい」といった話もよく聞きますが、動線を見直すだけで混雑が解消することも少なくないんです。

良い家事動線を作るリフォームのポイント

――リフォームを検討するとき、家族と暮らしながら良い家事動線を描ける間取りにするコツなどはありますか?

関谷: 良い家事動線が描ける間取りにするには、家族全員の生活動線を踏まえながら、生活の一部として家事動線を考えることが大切です。家族全員の生活動線をタイムスケジュールとともに間取り図に書き出し、混雑する場所と時間を割り出すと、現在の間取りの問題点が可視化できます。
関谷: 次に、この図のように、各自が抱えている生活の不満を書き足します。生活動線の重なりと家族の不満をもとに、どうすれば快適になるかを考えていくと、家族みんなが気持ち良く暮らせる間取りが見えてくるはずです。それを踏まえて効率的な配置を決めていくことが、無駄のない家事動線を描ける間取りづくりのポイントになります。

――実際の事例があれば教えてください。

関谷: こちらの事例は、水回りをまとめ、2方向から行き来できる回遊動線を取り入れたことで、家族の生活動線がぶつからず、家事動線も一直線に収まる間取りへと変えることができました。また、プライベート動線とパブリック動線に分けることで、来客時に生活感を見せない配慮もしています。

――家族全員が快適に過ごせる家になるんですね。でも、家族の意見がバラバラなときは、どうすればいいですか?

関谷: 家族それぞれのお話をもとに、相談しながらさまざまなご提案をしていきますので、まずはご要望をそのまま伝えてもらえたらと思います。

家事動線を意識したリフォームで生まれるメリット

――リフォームをすることで、何か家族に変化が生じることはありますか?

関谷: リフォームによって生活動線とのバランスがとれた良い家事動線が生まれると、無駄な動きがなくなって、家事に費やす時間と労力が縮小されます。
関谷: こちらの事例のように、家族の生活動線のぶつかりが減るような間取りにすると、各自が自分のペースで動けるようになるので、家族の生活ストレスも緩和されるでしょう。それぞれに時間や気持ちの余裕が生まれるので、家族での会話が増えるなどの副産物的なメリットも期待できるかもしれませんね

――家自体に考えられるメリットはありますか?

関谷: 家事動線を意識した位置に収納を造ると、出しっぱなしや仮置きがなくなって、片づいた状態を保ちやすくなります。
関谷: また、こちらの事例のように、スムーズな家事動線や生活動線を描ける間取りに変えることで、新たな風の通り道が生まれ、これまであまり風が通らず、ジメジメしがちだった部屋の風通しも良くなります。

我が家に適した間取りの考え方

――家族構成や暮らし方は家庭ごとに違いますが、良い間取りはどの家庭にも共通するのでしょうか?

関谷: 生活スタイルは家族ごとに違うので、一般的に良いといわれる間取りが自分たちにも適しているとは限りません。例えば、2方向から出入りできる部屋の造りは、出入口が増える分、収納スペースが減ることになります。物が多い家などでは、結局物が積み上がって開かずの扉になることもあるんです。

――良い間取りがデメリットになることもあるんですね。「我が家にとっての良い間取り」は、どのように考えたらいいですか?

関谷: メリットやデメリットは家庭によって違うので、取り入れたい要素に対して、生活習慣や家族構成、荷物の量、誰がいつどんな家事をするかなどを重ね合わせてみると、我が家に適しているかを判断しやすくなります。

――「我が家に適した間取り」の事例を教えてください。

関谷: それでは、「子育て中の家」「荷物が多い家」「朝の身支度をスマートにしたい家」それぞれのリフォーム事例をご紹介しますね。

子供を見守れるキッチン

関谷: このリフォームでは、キッチンを90°回転させ、玄関の出入りも見える造りにしたことで、子供がどこにいても、キッチンにいながら見守れるようになりました。キッチン、ランドリー、バルコニーと、直線状に必要な家事が並び、無駄な動きもありません。買い出しの荷物を最短距離でキッチンまで運べるようにもなりました。

ファミリークローゼットで、あふれる洋服もすっきり収納

関谷: こちらは、部屋同士をつなぐファミリークローゼットを新設し、家族の衣服をまとめて収納することで、洗濯後各自の部屋にしまう手間が省けるようになりました。2方向から出入りできるファミリークローゼットにすることで、北側にある寝室の通気性も確保しています。

花粉もブロック!出勤にゆとりが生まれるプライベート動線

関谷: こちらは、三井のリフォームが運営する「北参道モデルルーム」なのですが、玄関とクローゼットをつなぐプライベート通路を設けることで、外出前の準備がしやすくなりました。帰宅後もクローゼットへ直行でき、花粉などを部屋に持ち込む心配もありません。

リフォームを考える最適なタイミングは?

――リフォームを考えるのに、適したタイミングなどはあるのでしょうか?

関谷: 同じ家に住み続けていても、ライフステージは常に変化していきますよね。その時々で暮らし方も変わるので、子育てが始まるときや、子供が独立して夫婦二人の生活が始まるとき、また、親と同居を始めるなど、家族の人数に変化が生じるタイミングが、大きなリフォームを考えるのに最適な時期だと思います。この例は、子供が独立されたときに施されたリフォームとなります。
関谷: ただ、キッチン、洗面所、クローゼットなど、気になる1ヵ所をリフォームするだけで、家族の負担が大幅にダウンすることもあります。部分的なリフォームは、節目まで我慢するより、気になったときがタイミングだと思いますね。全面的なリフォームに比べ、予算を抑えやすいというメリットもありますよ。

――部分的なリフォームもできるんですね。

関谷: 1ヵ所のリフォームだけでもできますよ。
関谷: 例えばこちらは、キッチンをリフォームしただけで、家族の生活動線がスムーズになった事例です。キッチンに入りやすくなったことで、家族が台所仕事を手伝ってくれるようになったそうです。

――ちょっとした変化でも、暮らしやすさは大きく変わるんですね。

関谷: 20年以上前は家事の効率が重視されていない間取りも多かったので、その当時の家であれば、ちょっとしたリフォームで大幅に生活動線が良くなることも多いです。一方で、最近は購入したての新築マンションを、入居前にリフォームする人も増えているんです。自分たちらしい快適な暮らしを求める人が増えているのかもしれませんね。

想像を超える快適なプランをご提案します

――三井のリフォームの強みは、どんなところでしょうか?

関谷: お客様一人ひとりに最適なご提案ができるところかと思います。お打ち合わせではリフォームプランナーが直接耳を傾け、理想やイメージをしっかり受け止めるなど、お客様とのコミュニケーションを大切にしています。その上で、女性目線での細やかな気遣いや、共働きなど時代の流れもくんだプランを立てています。

――プランニングされる中で大切にしていることを教えてください。

関谷: 私たちプランナーには、お客様を驚かせたいという思いがあります。理想を叶えるだけでなく、プラスアルファの喜びを感じていただけるような、ご想像されている以上のご提案を常に目指しています。

三井のリフォーム リフォームプランナー® 一級建築士 関谷 友美

2020.11.11時点の情報です

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