個々人の生活空間をつなぐコアとして、落ち着きと開放感が調和したLDK。各世代が自由に行き来しつつ、互いの生活を大切にする空間配置に。（2階／子世帯）

シンプルモダンなデザインをモノトーンで統一した2階LDK。戸建て感を抑えたマンションライクな雰囲気と、家族のあらゆるシーンを見据えた奥行きのある仕上がり。（2階／子世帯）

家族を見渡せる対面式キッチンは、「作る人」を「創る人」に。ギャラリーのようなニッチが、日々の炊事を華やかな雰囲気で盛り立てる。（2階／子世帯）

クリエイターであるご主人の仕事場は、両側をディスプレイスペースとした。雑然としがちな資料とお気に入りのアートをコンパクトにまとめ、創作意欲を引き出す。（2階／子世帯）

明るくクリーンな二面採光の子供部屋。飽きの来ないシンプルな調度が、成長に合わせて自在に表情を変える。（2階／子世帯）

共有の玄関からつながる階段は、踏み面を大きく取って勾配をゆるやかに。各世代がストレスフリーで行き来し、つながりを保てるよう配慮した。（共用部）

ランドリー・トイレスペースを世帯別に設け、家族ごとに異なる生活時間をケア。大きく構えられたアートがスタイリッシュな水まわりに映える。（共用部）

二世帯で共有するバスルームは、シンプルかつ明るさを考慮した伸びやかな構え。バリアフリーを念頭に置きつつ、飽きの来ないモダンな仕上がりが実現した。（共用部）

家族の日々のおもかげを残した1階LDK。必要十分な使い勝手を追求したキッチンは、亡くなったご主人の好まれた淡いグリーンを基調とした。（1階／お母様）

湿気のこもりがちな1階和室には、珪藻土壁と通風雨戸を採用することで、四季を通じた風通しの良さを求めた。調度を厳選し、洋室とバランスの取れた和風モダンな空間に。（共用部）

奥様の「カフェのような雰囲気を」というご要望に応え、名古屋モザイク製のタイルをあしらい、ラグジュアリーな純喫茶風の回遊式の対面キッチンに。リフォーム後のキッチンは創建当時の台所の位置と重なっており、先祖代々の精神的なつながりを感じさせるリフォームとなった。

ダイニングはキッチンの雰囲気と合わせ、天井をブラウンのクロスで仕上げた。再生した建具が、モダンな印象の調度や電化製品との雰囲気をつなぐ、見事な仲立ちとなっている。

二間続きの和室の一方をリビングに改装。天井を抜いて梁をあらわし、吹き抜けの上部にはスリット窓と丸窓を設けた。爽やかで開放的な構えと共に、レトロモダンな格子がふくよかなアクセントを加えている。
床材は、思い入れの深い建具たちと違和感なく調和する、チーク材の突き板フローリングに張り替えた。

車いすが通れる間口のドアを採用し、一段低い上がりがまちを増設するなどバリアフリーに配慮。壁にはグリーンの聚楽を採用し、奥さまが惚れ込んだ照明とも絶妙に調和した、軽やかでシックな表情になった。

モダンなアイアンの階段を上った先では、吹き抜けの窓から光を取り込んでいる。

北西側にあった居室と廊下をつなげ、奥行きのある寝室とした。腰壁として使っているのは、もとは広縁の床材だったもの。塗装しなおすことで、使い込まれた艶にあらたな役割が与えられた。廊下だったスペースにはカウンターを新たに造り付けた。

慌ただしい朝の時間帯でも家族が余裕を持って使える、ワイドなカウンターの洗面室。カウンターは洗濯物を畳むときにも活躍し、奥さま念願の室内洗濯がかなった。カウンター下はオープンスペースとし、お気に入りのバスケットを使用して軽やかな印象に。

以前より生活になじんでいる木製の浴槽を採用。重厚ながらも湿気や虫害に強いマキ材は、軽く水洗いするだけでぬめりが落ちる手軽さ。天井にも木材を使い、壁と床はモダンなタイルで仕上げた。手すりにもなるシャワーのスライドバーや腰掛けスペースを設け、三世代が快適に暮らせるよう配慮した。

はじめて母屋に設けられたトイレは、バリアフリーに配慮して間口を広く取った。照明と鏡は、インテリアの選定中に奥様が一目惚れしたもの。鏡のフックは家蔵品の古釘とのこと。

老朽化し、奥様曰く、天井から土が落ちてくることもあったという土ふき瓦を撤去し、瓦にふき替え。２階部分の外壁を張り替え、玄関まわりのみ塗装で、他は黒っぽい仕上がりは当家創建当時の雰囲気に近づいたそう。

リビングを2階に移し、キッチン、ダイニング、畳コーナーがあるワンルームにリニューアル。すっきり機能的な食事空間に。壁は珪藻土。色粉を入れた土壁風の仕上げが落ち着いた雰囲気を醸し出している。（１階）

ステンレス製システムキッチンとバックセットは特注品。ツヤをおさえたマーブル調タイルがインテリアになじむ。（１階）

飾り棚を設けたカウンターがキッチンの手元を程よく目隠し。（１階）

奥様の趣味の書道のほかフレキシブルに使える和空間。床面を15cm上げることで自然と気持ちが切り替わる一工夫。（１階）

石張りのアクセントウォールと黒の大判タイルがスタイリッシュな玄関。正面の引戸を開けると、広いウォークインクローゼット。朝の身支度や帰宅後の着替えがスムーズに。（１階）

窓からデッキの緑を眺められる明るい浴室。特注システムバスはゆったりとした1717サイズ。（１階）

幅を広げ手洗いと収納を新設したトイレ。間接照明で階段下の圧迫感を軽減。（１階）

5-1chサラウンドや埋め込み型スピーカーなどのAV機器を完備したリビング。（2階）

リビングに隣接した寝室へ。直に行き来できるよう、引戸を設けた。（2階）

本好きで蔵書の多いご夫婦。2階の共用書斎を4.5畳から6畳に拡張。（2階）

鎌倉市の景観重要建築物等に指定されている「旧A小児科医院」。大正から昭和初期にかけて日本で流行していたハーフティンバー様式の華やかな外観が印象的な、街のランドマークです。施主様が受け継ぐにあたり、外観はそのままに、コンバージョン（用途変更）で医院から住まいへと生まれ変わりました。

リビングダイニング。開業当時は、手前が待合室で奥が診察室でした。南側は全て窓となっていて大変明るく、庭を望む西側の窓からはウッドデッキに反射した優しい光が差し込みます。柱を残して壁をバランスよく配置し、耐震強度を確保しながら採光に配慮したデザインを施し、室内に華やかな表情を与えています。

オープンなアイランドキッチンは、友人を招きたいと希望する奥さまのアイデア。新設されたウッドデッキは、バーベキューパーティや日常の物干し場に活躍しつつ、ダイニングにさわやかな開放感を与えています。天井を渡る鶴の漆喰細工は創建当時から残るもの。

開院当時のまま使用しているリビングの照明は、吊元に三羽のウサギとニンジンが浮き彫りされています。壁高くに飾られた絵も当時のまま。楽しげに祭りに興じる動物や虫たちの姿が描かれており、小児科医院ならではの遊び心が垣間見えます。

玄関ホールは広さと配置はそのままに、医院の受付小窓を大型の玄関収納に造り変えました。ルイス・ポールセン製のシンプルな照明を採用し、医院建築の表情を残しつつ、モダンな感覚も取り入れています。既存の大きな格子窓下には棚を新設し、実際に使用していた往診カバンや医療器具をディスプレイしています。

ほぼ既存の造りのまま、壁を塗り替えた2階和室。ルイス・ポールセンの新作ペンダント照明がエキゾチックな雰囲気を引き立てています。障子はもともとあったものを補修して再利用しています。

かつては海を望むことができたという洋室は、三方に窓を配した眺めの良い造り。落ち着いた色合いの建具が、続きの和室とシックに調和しています。無垢のヘリンボーンの床材はとても傷んでいましたが、補修と塗装でよみがえらせました。

医院で使われていた小さなシンクをなくし、洗面・脱衣所として機能的にリニューアルしました。ツインボウルと一面に貼られたミラーは奥さまが特にこだわった部分。

１階（写真左）のトイレは落ち着いた色合いでコンパクトに。２階トイレ（写真右）は緑を基調としたナチュラルで華やかな壁紙を用い、愛らしい印象に仕上げました。

時代を超えて受け継がれていく品々。

全開口サッシでリビングとデッキを続き間に。風と緑の香りが心地いい。ホームパーティも楽しめる空間となった。

奥様が丹精を込めた薔薇やハーブの鉢が並ぶ。周辺には木製フェンスを張り巡らし周囲の視線をカット。

テレビの背面のみ壁材をかえてフォーカルポイントに。犬を飼っているため、床材は傷・摩耗に強いノンワックスタイプを採用。

「いっしょに作って食べる」という料理教室のために、まぐさを入れ替えて開口を広げ、奥行きを浅くして開放的なキッチンに。

キッチン背面のストックルームは両側の壁いっぱいに棚を造作。天井には電動物干しがついており、洗濯物の仮干しもOK。新設した窓と換気扇で通風も確保。

カウンター下には食器類を収納。調理や配膳にも大活躍。タイルも扉材も鏡面の白で華やかに。

キッチン～ユーティリティ～洗濯機置き場～洗面室への水まわり集中動線は、開放できる引きこみ戸により、家事を一層効率化。

洗面室は窓をなくして天井の高さまで収納スペースを確保。

バリアフリーのユニットバスに変更し、脱衣室との段差を解消。出窓も新設し、明るく快適に。